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格言聯璧 / 持躬類・安きに居りて危きを慮る

平康之中,有險陰焉。衽席之內,有鴆毒焉。衣食之間,有禍敗焉。 居安慮危,處治思亂。 天下之勢,以漸而成。 天下之事,以積而固。

新字:平康之中,有険陰焉。衽席之内,有鴆毒焉。衣食之間,有禍敗焉。 居安慮危,処治思乱。 天下之勢,以漸而成。 天下之事,以積而固。

書き下し

平康の中に、險陰有り。衽席の内に、鴆毒有り。衣食の間に、禍敗有り。 安きに居りて危きを慮り、治に處りて亂を思ふ。 天下の勢は、漸を以て成る。 天下の事は、積むを以て固し。

現代語訳

平穏無事のなかに、危険と陰謀が潜んでいます。寝床のなかに、猛毒が潜んでいます。衣食のあいだに、災いと失敗が潜んでいます。 安らかなときにも危うい事態を心配し、治まっているときにも乱れることを考えなさい。 天下の情勢は、少しずつ積み重なって出来上がります。 天下の事は、積み重ねによって固まります。

解説

安全に見える所に潜む危険を三つ挙げる句から始まる聯です。平康つまり平穏無事の中に険陰があり、衽席つまり寝床の中に鴆毒があり、衣食の間に禍敗があると言います。寝床は色欲、衣食は贅沢を暗に指しているのでしょう。続く居安慮危は『春秋左氏伝』襄公十一年の「安きに居りて危きを思ふ」、処治思乱は『易経』繋辞伝の「治まれども乱を忘れず」に通じる語です。最後の対句は、天下の勢いも事業も、少しずつの積み重ねで形成されると言います。問題は突然起こるように見えて、実は日々の小さな積み重ねで準備されているのです。
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この章句が説くこと

居安思危漸進持躬備え積累

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