格言聯璧 / 持躬類・七尺を理會せんと欲せば先づ方寸を理會せよ
欲理會七尺,先理會方寸。 欲理會六合,先理會一腔。 世人以七尺為性命,君子以性命為七尺。 氣象要高曠,不可疏狂。 心思要縝密,不可瑣屑。
新字:欲理会七尺,先理会方寸。 欲理会六合,先理会一腔。 世人以七尺為性命,君子以性命為七尺。 気象要高曠,不可疏狂。 心思要縝密,不可瑣屑。
書き下し
七尺を理會せんと欲せば、先づ方寸を理會せよ。 六合を理會せんと欲せば、先づ一腔を理會せよ。 世人は七尺を以て性命と爲し、君子は性命を以て七尺と爲す。 氣象は高曠なるを要すれども、疏狂なるべからず。 心思は縝密なるを要すれども、瑣屑なるべからず。
現代語訳
七尺の身を治めようと思うなら、まず方寸の心を治めなさい。 天地四方を治めようと思うなら、まずこの胸のうちを治めなさい。 世の人は七尺の体を命そのものと考えますが、君子は天から受けた本性と命を自分の体そのものと考えます。 気性は高く広くあるべきですが、粗放で常軌を逸してはなりません。 考えは細やかで緻密であるべきですが、こせこせと細かすぎてはなりません。
解説
身と心、世界と胸のうちを対にして、まず内を治めよと説く聯です。方寸は一寸四方の心、六合は天地四方、一腔は胸のうちのことです。三行目は言葉の順序を入れ替えた巧みな対句で、世人は肉体を命と思い、君子は天から受けた性命こそが自分の本体だと考えると言います。後半は長所が行き過ぎた姿を戒める句で、次の単位まで続きます。気象は高曠でも疏狂にならず、心思は縝密でも瑣屑にならないように、という具合です。大らかさが雑さに、細やかさが細かすぎに転じないよう、長所の手前で止まる加減が大切だと教えています。
この章句が説くこと
修身持躬心術中庸気象
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