格言聯璧 / 存養類・一の恒の字訣を得、一の漸の字訣を得
宜靜默,宜從容,宜謹嚴,宜儉約,四者切己良箴。 忌多欲,忌妄動,忌坐馳,忌旁騖,四者切己大病。 常操常存,得一恒字訣。勿忘勿助,得一漸字訣。
新字:宜静黙,宜従容,宜謹厳,宜倹約,四者切己良箴。 忌多欲,忌妄動,忌坐馳,忌旁騖,四者切己大病。 常操常存,得一恒字訣。勿忘勿助,得一漸字訣。
書き下し
宜しく靜默なるべし、宜しく從容なるべし、宜しく謹嚴なるべし、宜しく儉約なるべし、四者は己に切なる良箴なり。 多欲を忌む、妄動を忌む、坐馳を忌む、旁騖を忌む、四者は己に切なる大病なり。 常に操り常に存す、一の恒の字訣を得。忘るる勿れ助くる勿れ、一の漸の字訣を得。
現代語訳
静かで口数少なくあるべきこと、ゆったりと落ち着いているべきこと、慎み深く厳格であるべきこと、倹約であるべきこと。この四つは自分にとって身にしみる良い戒めです。 欲が多いこと、みだりに動くこと、座っていても心が走り回ること、脇道にそれること。この四つは自分にとって切実な大病です。 常に心をしっかり持ち常に保っていれば、「恒」の一字の秘訣を得ます。忘れもせず無理に助長もしなければ、「漸」の一字の秘訣を得ます。
解説
宜しとすべき四つと忌むべき四つを対にした、自分への処方箋のような聯です。静黙・従容・謹厳・倹約を良箴、多欲・妄動・坐馳・旁騖を大病とします。坐馳は『荘子』人間世篇の語で、体は座っていても心が駆け回っている状態、旁騖は本筋から外れて気が散ることです。最後の句は、常に心を保つことを「恒」、勿忘勿助で焦らず怠らずに進むことを「漸」とまとめます。操存は『孟子』告子上の「操れば則ち存す」に基づきます。続けることと少しずつ進むこと、この二字を覚えておくだけでも、習慣づくりの心強い指針になります。
この章句が説くこと
存養継続漸進倹約坐馳
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