格言聯璧 / 存養類・自家の好き處は幾分を掩藏すべし
自家有好處,要掩藏幾分,這是涵育以養深。 別人不好處,要掩藏幾分,這是渾厚以養大。 以虛養心,以德養身;以仁養天下萬物,以道養天下萬世。
新字:自家有好処,要掩蔵幾分,這是涵育以養深。 別人不好処,要掩蔵幾分,這是渾厚以養大。 以虚養心,以徳養身;以仁養天下万物,以道養天下万世。
書き下し
自家に好き處有らば、幾分を掩藏するを要す、這は是れ涵育して以て深きを養ふなり。 別人の好からざる處は、幾分を掩藏するを要す、這は是れ渾厚にして以て大を養ふなり。 虚を以て心を養ひ、德を以て身を養ふ。仁を以て天下萬物を養ひ、道を以て天下萬世を養ふ。
現代語訳
自分に良いところがあっても、いくらかは隠しておくべきです。これは内に包み育てて深みを養うことです。 他人の良くないところは、いくらかは覆い隠しておくべきです。これは大らかで厚みのある心で大きさを養うことです。 虚しい心で心を養い、徳で身を養います。仁で天下の万物を養い、道で天下の万世を養います。
解説
隠すという行為を、自分の長所と他人の短所の二方向に向けた対句です。自分の良さを少し隠すのは、見せびらかさずに内で育てて深みを養うためです。他人の欠点を少し覆うのは、あげつらわない渾厚、つまり大らかで重みのある人柄によって器を大きくするためです。後半は「以て養ふ」を四つ重ね、心、身、天下の万物、天下の万世へと、養う対象を内から外、今から未来へと広げていきます。自分の手柄は控えめに、人の失敗は必要以上に言いふらさない。職場の人間関係を穏やかにし、自分の器を育てる具体的な作法です。
この章句が説くこと
謙虚寛容存養渾厚仁
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