格言聯璧 / 存養類・人心は明鏡の如し
然而生意未嘗不在也,疏之而已耳。 人心如明鏡,全體渾是光明習染薰之而暗矣。 然而明體未嘗不存也,拭之而已耳。 果決人似忙,心中常有餘閑。
新字:然而生意未嘗不在也,疏之而已耳。 人心如明鏡,全体渾是光明習染薫之而暗矣。 然而明体未嘗不存也,拭之而已耳。 果決人似忙,心中常有余閑。
書き下し
然れども生意未だ嘗て在らずんばあらず、之を疏するのみ。 人心は明鏡の如く、全體渾て是れ光明なるも、習染之を薰ずれば暗し。 然れども明體未だ嘗て存せずんばあらず、之を拭ふのみ。 果決の人は忙しきに似たれども、心中常に餘閑有り。
現代語訳
けれども生きる力がなくなったことは一度もありません。ふさいでいるものを取り除いてやればよいのです。 人の心は澄んだ鏡のようなもので、全体がまるごと光に満ちていますが、悪い習慣に染まっていくと曇ってしまいます。 けれども明るい本体がなくなったことは一度もありません。拭ってやればよいのです。 決断の早い人は忙しそうに見えますが、心のなかには常にゆとりがあります。
解説
前の単位の穀種の比喩を受け、ふさがれても生意は失われておらず、疏す、つまり通してやればよいと結びます。続いて心を明鏡にたとえ、習慣の汚れで曇っても本体の光は消えておらず、拭えばよいと言います。種と鏡という二つの比喩で、人の本性はもともと善く明るいという性善の考えを示し、修養とは何かを付け足すことではなく、覆いを取り除くことだと教えます。最後の一句は次の単位の「因循の人は閑に似たれども」と対になり、決断の早い人こそ心に余裕があると述べます。自分を責めすぎず、曇りを拭う発想が大切です。
この章句が説くこと
明鏡性善存養決断余裕
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