格言聯璧 / 存養類・人性の上に一物を添ふべからず
敬守此心,則心定;斂抑其氣,則氣平。 人性中不曾缺一物,人性上不可添一物。 君子之心不勝其小,而氣量涵蓋一世。 小人之心不勝其大,而志意拘守一隅。
新字:敬守此心,則心定;斂抑其気,則気平。 人性中不曽欠一物,人性上不可添一物。 君子之心不勝其小,而気量涵蓋一世。 小人之心不勝其大,而志意拘守一隅。
書き下し
敬んで此の心を守れば、則ち心定まる。其の氣を斂抑すれば、則ち氣平かなり。 人性の中に曾て一物をも缺かず、人性の上に一物をも添ふべからず。 君子の心は其の小に勝へずして、氣量は一世を涵蓋す。 小人の心は其の大に勝へずして、志意は一隅を拘守す。
現代語訳
つつしんでこの心を守れば、心は定まります。気を引き締め抑えれば、気は平らかになります。 人の本性のなかには一つとして欠けているものはなく、人の本性の上には一つとして付け加えてはなりません。 君子の心はこの上なく細やかですが、その度量は一世を覆い包むほど大きいのです。 小人の心はこの上なく大きく構えていますが、その志は片隅に閉じこもっています。
解説
敬によって心を守り、気を引き締めて平らかにするという存養の基本から始まる聯です。二行目は、人の本性にはもともとすべてが備わっていて欠けるものはなく、外から何かを付け足す必要もないと言い、前の単位の種や鏡の比喩と同じ考えを示します。後半は君子と小人の対比が面白く、君子は心が細やかで小心なのに度量は天下を包み、小人は心が大きく構えているのに志は片隅に縛られていると言います。細部に気を配る人ほど大きな仕事を包み込み、大言壮語する人ほど視野が狭いという観察は、今の職場でも思い当たるところがあるでしょう。
この章句が説くこと
主敬性善度量存養君子
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