格言聯璧 / 存養類・顏子の四勿、孟子の四端
涵養沖虛,便是身世學問。 省除煩惱,何等心性安和! 顏子四勿,要收入來;閑存工夫,制外以養中也。 孟子四端,要擴充去;格致工夫,推近以暨遠也。
新字:涵養沖虚,便是身世学問。 省除煩悩,何等心性安和! 顔子四勿,要収入来;閑存工夫,制外以養中也。 孟子四端,要擴充去;格致工夫,推近以暨遠也。
書き下し
涵養沖虚なるは、便ち是れ身世の學問なり。 煩惱を省き除けば、何等か心性安和なる。 顏子の四勿は、收め入れ來るを要す。閑存の工夫は、外を制して以て中を養ふなり。 孟子の四端は、擴充し去るを要す。格致の工夫は、近きを推して以て遠きに暨ぶなり。
現代語訳
心を養い、謙虚でわだかまりなく保つことが、そのまま生涯の学問です。 煩悩を取り除けば、心と本性はなんと安らかで穏やかになることでしょう。 顔回の「四勿」は、心の内へ収め入れるものです。邪を防ぎ誠を存する工夫は、外を制して内を養うことです。 孟子の「四端」は、外へ押し広げていくものです。物事を窮め知を極める工夫は、身近なところから推して遠くへ及ぼすことです。
解説
修養の二つの方向を、顔回と孟子を対にして示した聯です。顔子の四勿は『論語』顔淵篇で孔子が顔回に授けた「礼に非ざれば視る勿れ、聴く勿れ、言ふ勿れ、動く勿れ」で、外からの誘いを制して内を守る工夫です。閑存は『易経』の「邪を閑ぎて其の誠を存す」から来ています。孟子の四端は『孟子』公孫丑上の惻隠・羞悪・辞譲・是非の心で、これを拡充して外へ広げるものです。格致は『大学』の格物致知です。守る修養と広げる修養の両方が要るという整理は、自分を律することと人に働きかけることの釣り合いを考える助けになります。
この章句が説くこと
四勿四端存養格物修身
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