格言聯璧 / 學問類・書を讀むは能く疑ふを貴ぶ
不躬行,便如水行得車,陸行得舟,一毫受用不得。 讀書貴能疑,疑乃可以啟信。 讀書在有漸,漸乃克底有成。 看書求理,須令自家胸中點頭。
新字:不躬行,便如水行得車,陸行得舟,一毫受用不得。 読書貴能疑,疑乃可以啓信。 読書在有漸,漸乃克底有成。 看書求理,須令自家胸中点頭。
書き下し
躬行せざれば、便ち水行に車を得、陸行に舟を得るが如く、一毫も受用し得ず。 書を讀むは能く疑ふを貴ぶ、疑へば乃ち以て信を啓くべし。 書を讀むは漸有るに在り、漸なれば乃ち克く有成に底る。 書を看て理を求むるは、須らく自家の胸中をして點頭せしむべし。
現代語訳
自ら実行しなければ、水路を行くのに車を得、陸路を行くのに舟を得るようなもので、少しも役に立ちません。 読書は疑いを持てることが大切です。疑ってこそ、確かな信念が開けてきます。 読書は少しずつ段階を踏むことにかかっています。段階を踏んでこそ、成就に至ることができます。 本を読んで道理を求めるときは、自分の胸のうちで深くうなずけるようにしなければなりません。
解説
前の単位の比喩の続きで、躬行、つまり自分で実行しなければ、水路に車、陸路に舟を持つように何の役にも立たないと結びます。後半は読書の心得で、疑うことが信の入り口であること、漸つまり順を追って進めてこそ成果が出ること、読んだ理は自分の胸でうなずけるまで考えることを説きます。この点頭の句は次の単位の「人と理を談ずるには、人家の胸中をして点頭せしむべし」と対になっています。鵜呑みにせず問いを立て、焦らず段階を踏み、納得するまで考えるという三つは、今日の学び直しにもそのまま役立つ方法です。
この章句が説くこと
読書懐疑漸進実践学問
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