格言聯璧 / 學問類・志の向ふ所、堅くして入らざる無し
魚離水則鱗枯,心離書則神索。 志之所趨,無遠勿屆;窮山距海,不能限也。 志之所向,無堅不入;銳兵精甲,不能禦也。 把意念沈潛得下,何理不可得!
新字:魚離水則鱗枯,心離書則神索。 志之所趨,無遠勿届;窮山距海,不能限也。 志之所向,無堅不入;鋭兵精甲,不能禦也。 把意念沈潜得下,何理不可得!
書き下し
魚、水を離るれば則ち鱗枯れ、心、書を離るれば則ち神索く。 志の趨く所、遠くして屆らざる無し。窮山距海も、限ること能はざるなり。 志の向ふ所、堅くして入らざる無し。銳兵精甲も、禦ぐこと能はざるなり。 意念を把りて沈潛し得て下らば、何の理か得べからざらん。
現代語訳
魚が水を離れると鱗が乾いてしまい、心が書物を離れると精神が尽きてしまいます。 志の向かうところ、どれほど遠くても届かない所はありません。果てしない山も海の隔たりも、それを限ることはできません。 志の向かうところ、どれほど堅くても入り込めないものはありません。鋭い兵や精強な鎧も、それを防ぐことはできません。 思いを深く沈めて落ち着けることができれば、どんな道理も得られないことがあるでしょうか。
解説
読書と志の力を説く聯です。まず魚と水、心と書を並べ、書物から離れると精神が枯れると言います。続く二句は同じ形の対句で、志は遠い所にも届き、堅いものにも入り込むと、距離と強さの両面から志の力を讃えます。窮山距海は果てしない山と海の隔たり、鋭兵精甲は精鋭の軍勢のたとえです。最後の句は、心を沈めて考え抜けばどんな理も得られると言い、次の単位の「志気を奮発し得て起こさば」と対をなします。忙しさで本から離れていると感じたとき、また目標が遠く見えるとき、背中を押してくれる言葉です。
この章句が説くこと
立志読書沈潜学問意志
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