格言聯璧 / 學問類・未見の書を讀むは良友を得るが如し
一庭之內,自有至樂。 六經以外,別無奇書。 讀未見書,如得良友。 見已讀書,如逢故人。 何思何慮?居心當如止水。 勿助勿忘,為學當如流水。
新字:一庭之内,自有至楽。 六経以外,別無奇書。 読未見書,如得良友。 見已読書,如逢故人。 何思何慮?居心当如止水。 勿助勿忘,為学当如流水。
書き下し
一庭の内、自ら至樂有り。 六經以外、別に奇書無し。 未見の書を讀むは、良友を得るが如し。 已讀の書を見るは、故人に逢ふが如し。 何をか思ひ何をか慮らん、心を居くこと當に止水の如くなるべし。 助くる勿れ忘るる勿れ、學を爲すこと當に流水の如くなるべし。
現代語訳
一つの家の庭のなかに、おのずと最高の楽しみがあります。 六経のほかに、特別に珍しい書物はありません。 まだ読んだことのない本を読むのは、良い友を得たようなものです。 すでに読んだ本をまた見るのは、古い友に再会したようなものです。 何を思い何を案じることがあるでしょう。心の置き方は、静かに止まった水のようでありなさい。 無理に助長せず、かといって忘れもしない。学問の進め方は、絶え間なく流れる水のようでありなさい。
解説
家庭の楽しみ、読書の喜び、心と学問のあり方を短い句で並べた聯です。一庭の内の至楽とは、遠くに求めずとも家族との暮らしに最上の楽しみがあるということです。新しい本は良友、再読する本は旧友という比喩はとくに親しみやすく、読書を人との交わりのように語ります。何思何慮は『易経』繋辞伝、勿助勿忘は『孟子』公孫丑上の語です。心は止水のように静かに、学問は流水のように絶え間なく、という対比が見事です。焦って詰め込まず、しかし途切れさせずに、少しずつ読み続ける姿勢を勧めています。
この章句が説くこと
読書家庭止水学問閑適
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