格言聯璧 / 學問類・聰明を正路に用ふ
諸君到此何為,豈徒學問文章,擅一藝微長,便算讀書種子。 在我所求亦恕,不過子臣弟友,盡五倫本分,共成名教中人。 聰明用於正路,愈聰明愈好,而文學功名益成其美。 聰明用於邪路,愈聰明愈謬,而文學功名適濟其奸。
新字:諸君到此何為,豈徒学問文章,擅一芸微長,便算読書種子。 在我所求亦恕,不過子臣弟友,尽五倫本分,共成名教中人。 聰明用於正路,愈聰明愈好,而文学功名益成其美。 聰明用於邪路,愈聰明愈謬,而文学功名適済其奸。
書き下し
諸君此に到りて何をか爲す、豈に徒だ學問文章、一藝の微長を擅にするのみにて、便ち讀書種子と算へんや。 我に在りて求むる所も亦た恕なり、子臣弟友に過ぎず、五倫の本分を盡し、共に名教中の人と成らん。 聰明を正路に用ふれば、愈いよ聰明なれば愈いよ好く、而して文學功名益ます其の美を成す。 聰明を邪路に用ふれば、愈いよ聰明なれば愈いよ謬り、而して文學功名適に其の奸を濟す。
現代語訳
諸君はここに来て何をするのでしょうか。ただ学問や文章に励み、一つの芸のわずかな長所を得意がるだけで、読書人の種と数えられるでしょうか。 私が求めることも寛大なもので、子として、臣として、弟として、友としての務め、つまり五倫の本分を尽くして、ともに名教(人倫の教え)の中の人になることにすぎません。 聡明さを正しい道に用いれば、聡明であればあるほど良く、文学や功名もますますその美しさを成就します。 聡明さを邪な道に用いれば、聡明であればあるほど誤りが大きくなり、文学や功名はかえってその悪事を助けることになります。
解説
学びに来た人への呼びかけから始まる聯です。前半は、学問や文章の小さな特技を誇るだけでは本当の読書人ではなく、子・臣・弟・友としての務めを果たすことこそが求めるものだと述べます。五倫は親子・君臣・夫婦・長幼・朋友の人間関係です。後半は聡明さを正路と邪路に分けた見事な対句で、同じ賢さが向かう先しだいで美にも奸にもなると言います。能力そのものは中立で、それを何に使うかで人の値打ちが決まるという考え方は、専門知識や技術を持つ人ほど心に留めておきたい戒めです。
この章句が説くこと
学問五倫聡明正路修身
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