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十善法語 / 巻第十二・不邪見戒之下

又此上品十善業道。修治清淨。不從他教自覺悟故。大悲方便不具足故。悟解甚深因緣法故。成獨覺乘ト此人タル道ヲ全クスル中ニ。修行清淨ナレハ無師自覺シ。甚深綠起ノ顯ルルト云コトシヤ。又此十善業道。修治清淨。心廣無量故。具足悲愍故。方便所攝故。發生大願故。不捨衆生故。希求諸佛大智故。淨治菩薩諸地故。淨修一切諸度故。成菩薩廣大行ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。心廣無量。上求下化ノ願アレハ。是ヲ菩薩廣大ノ行ト云シヤ。又此上上十善業道。一切種清淨故。乃至證十力四無畏故。一切佛法皆得成就。是故我今等行十善。應令一切具足清淨ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。乃至佛果モアラハルルコトシヤ。

新字:又此上品十善業道。修治清浄。不従他教自覚悟故。大悲方便不具足故。悟解甚深因縁法故。成独覚乗ト此人タル道ヲ全クスル中ニ。修行清浄ナレハ無師自覚シ。甚深緑起ノ顕ルルト云コトシヤ。又此十善業道。修治清浄。心広無量故。具足悲愍故。方便所摂故。発生大願故。不捨衆生故。希求諸仏大智故。浄治菩薩諸地故。浄修一切諸度故。成菩薩広大行ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。心広無量。上求下化ノ願アレハ。是ヲ菩薩広大ノ行ト云シヤ。又此上上十善業道。一切種清浄故。乃至証十力四無畏故。一切仏法皆得成就。是故我今等行十善。応令一切具足清浄ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。乃至仏果モアラハルルコトシヤ。

書き下し

又此上品十善業道。修治清浄。不従他教自覚悟故。大悲方便不具足故。悟解甚深因縁法故。成独覚乗ト此人タル道ヲ全クスル中ニ。修行清浄ナレハ無師自覚シ。甚深緑起ノ顕ルルト云コトシヤ。又此十善業道。修治清浄。心広無量故。具足悲愍故。方便所摂故。発生大願故。不捨衆生故。希求諸仏大智故。浄治菩薩諸地故。浄修一切諸度故。成菩薩広大行ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。心広無量。上求下化ノ願アレハ。是ヲ菩薩広大ノ行ト云シヤ。又此上上十善業道。一切種清浄故。乃至証十力四無畏故。一切仏法皆得成就。是故我今等行十善。応令一切具足清浄ト。此人タル道ヲ全クスル中ニ。乃至仏果モアラハルルコトシヤ。

現代語訳

また、この上品の十善業道を、修め整えて清浄にしても、他の教えによらず自ら覚るゆえに、大悲と方便を備えていないゆえに、甚だ深い因縁の法を悟り理解するゆえに、独覚乗を成就する、と。この人である道を全うする中で、修行が清浄であれば、師なくして自ら覚り、甚だ深い縁起が現れるということである。また、この十善業道を、修め整えて清浄にし、心が広く量り知れないゆえに、悲しみ憐れむ心を備えるゆえに、方便に包まれるゆえに、大願を起こすゆえに、衆生を捨てないゆえに、諸仏の大智を願い求めるゆえに、菩薩の諸地を清めるゆえに、一切の諸々の波羅蜜を清らかに修めるゆえに、菩薩の広大な行を成就する、と。この人である道を全うする中で、心が広く量り知れず、上は悟りを求め下は衆生を教化する願いがあれば、これを菩薩の広大な行というのである。また、この上上の十善業道は、一切の種類において清浄であるゆえに、さらには十力と四無畏を証するゆえに、一切の仏法がみな成就する。それゆえ私は今、等しく十善を行い、まさに一切を完全で清浄にさせるべきである、と。この人である道を全うする中で、さらには仏果も現れることなのである。

解説

声聞に続き、独覚・菩薩・仏の道が説かれる。独覚は師なくして縁起を悟るが大悲と方便を欠く。菩薩は心が広く、衆生を捨てず、大願を起こして上求菩提・下化衆生を行う。そして上上品の十善を完全に清浄に行う所に、十力・四無畏を備えた仏果が現れる。尊者は各段で、この人たる道を全うする中に、と繰り返す。悟りの最高位も、人として当たり前の十善を深め広げた先にある。基本を極めることが頂点に通じるという、全巻の主張がここで経典によって裏づけられる。

この章句が説くこと

十善菩薩独覚仏果大悲華厳経

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