十善法語 / 巻第十一・不邪見戒之中
餘經ニ或ハ久ヲ歷ルモ有ルト云コトシヤ。傳戒相承ハ。此二文共ニ障礙セヌシヤ。法ノ當相。諸ノ異說ヲ合シテ一緣起ノ相シヤ。五年十年カ修テモナク。一日二日カ短テモナイ。唯是夢中ノ修短シヤ。面白キコトシヤ。過去現在未來ノ三世モ。唯コレ妄心夢中色色ト現スルノミニテ。元來實體ナキシヤ。此等ノ事モ能思惟スレハ。廓然トシテ開解セネバナラヌ。一日二日カ短クモナキコトヲ知レハ。今日モ法ト成リ來ルシヤ。明日モ法ト成リ來ルシヤ。夜モ法ト成リ來ルシヤ。晝モ法ト成リ來ルシヤ。刹那ノ間モ法ト成リ來ルシヤ。五年十年百年千年カ修クモナキコトヲ知レハ。五年十年モ法ト成リ來ルシヤ。百年千年モ法ト成リ來ルシヤ。未來ノ未來際マテモ法ト成リ來ルシヤ。
新字:余経ニ或ハ久ヲ歴ルモ有ルト云コトシヤ。伝戒相承ハ。此二文共ニ障礙セヌシヤ。法ノ当相。諸ノ異説ヲ合シテ一縁起ノ相シヤ。五年十年カ修テモナク。一日二日カ短テモナイ。唯是夢中ノ修短シヤ。面白キコトシヤ。過去現在未来ノ三世モ。唯コレ妄心夢中色色ト現スルノミニテ。元来実体ナキシヤ。此等ノ事モ能思惟スレハ。廓然トシテ開解セネバナラヌ。一日二日カ短クモナキコトヲ知レハ。今日モ法ト成リ来ルシヤ。明日モ法ト成リ来ルシヤ。夜モ法ト成リ来ルシヤ。昼モ法ト成リ来ルシヤ。刹那ノ間モ法ト成リ来ルシヤ。五年十年百年千年カ修クモナキコトヲ知レハ。五年十年モ法ト成リ来ルシヤ。百年千年モ法ト成リ来ルシヤ。未来ノ未来際マテモ法ト成リ来ルシヤ。
書き下し
余経ニ或ハ久ヲ歴ルモ有ルト云コトシヤ。伝戒相承ハ。此二文共ニ障礙セヌシヤ。法ノ当相。諸ノ異説ヲ合シテ一縁起ノ相シヤ。五年十年カ修テモナク。一日二日カ短テモナイ。唯是夢中ノ修短シヤ。面白キコトシヤ。過去現在未来ノ三世モ。唯コレ妄心夢中色色ト現スルノミニテ。元来実体ナキシヤ。此等ノ事モ能思惟スレハ。廓然トシテ開解セネバナラヌ。一日二日カ短クモナキコトヲ知レハ。今日モ法ト成リ来ルシヤ。明日モ法ト成リ来ルシヤ。夜モ法ト成リ来ルシヤ。昼モ法ト成リ来ルシヤ。刹那ノ間モ法ト成リ来ルシヤ。五年十年百年千年カ修クモナキコトヲ知レハ。五年十年モ法ト成リ来ルシヤ。百年千年モ法ト成リ来ルシヤ。未来ノ未来際マテモ法ト成リ来ルシヤ。
現代語訳
他の経には、あるいは(中有が)久しい時を経ることもあるということである。伝戒相承(戒を伝え受け継いだ立場)では、この二つの文はともに妨げ合わないのである。法のありのままの姿は、諸々の異説を合わせて一つの縁起の姿である。五年十年が長いのでもなく、一日二日が短いのでもない。ただこれは夢の中の長短である。面白いことである。過去・現在・未来の三世も、ただ妄心の夢の中にいろいろと現れるだけであって、もともと実体はないのである。これらの事もよく思惟すれば、からりと開けて理解されなければならない。一日二日が短くもないことを知れば、今日も法となって来るのである。明日も法となって来るのである。夜も法となって来るのである。昼も法となって来るのである。刹那の間も法となって来るのである。五年十年、百年千年が長くもないことを知れば、五年十年も法となって来るのである。百年千年も法となって来るのである。未来の果てまでも法となって来るのである。
解説
この章句が説くこと
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