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十善法語 / 巻第九・不瞋恚戒

天竺ノ醫方明ニ。此四大ヲ以テ病ヲ察シ。四大ヲ以テ病ヲ療治スト云コトシヤ。風大病ニ百一。火大病ニ百一。水大病ニ百一。四大相雜スル病ニ百一。此ヲ四百四病トス。ソレ故水ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。身ニ灸シテ病ヲ治スル方アリ。天地ノ氣ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。勿論地大ノ藥物ヲ以テ病ヲ治スル方カアルト云コトシヤ。此內ノ四大ト。外ノ四大ト。相順スレハ增長スル。相違スレハ敗壞スル。ミナ面白キコトシヤ。此內ノ四大ニ色身强弱ノ差別。志性智愚ノ差別アリ。外ノ四大ニ土地ノ墳壞。氣候ノ調不アリ。此等ノ差排。コトコトク面白キコトシヤ。

新字:天竺ノ医方明ニ。此四大ヲ以テ病ヲ察シ。四大ヲ以テ病ヲ療治スト云コトシヤ。風大病ニ百一。火大病ニ百一。水大病ニ百一。四大相雑スル病ニ百一。此ヲ四百四病トス。ソレ故水ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。身ニ灸シテ病ヲ治スル方アリ。天地ノ気ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。勿論地大ノ薬物ヲ以テ病ヲ治スル方カアルト云コトシヤ。此内ノ四大ト。外ノ四大ト。相順スレハ增長スル。相違スレハ敗壊スル。ミナ面白キコトシヤ。此内ノ四大ニ色身強弱ノ差別。志性智愚ノ差別アリ。外ノ四大ニ土地ノ墳壊。気候ノ調不アリ。此等ノ差排。コトコトク面白キコトシヤ。

書き下し

天竺ノ医方明ニ。此四大ヲ以テ病ヲ察シ。四大ヲ以テ病ヲ療治スト云コトシヤ。風大病ニ百一。火大病ニ百一。水大病ニ百一。四大相雑スル病ニ百一。此ヲ四百四病トス。ソレ故水ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。身ニ灸シテ病ヲ治スル方アリ。天地ノ気ヲ服シテ病ヲ治スル方アリ。勿論地大ノ薬物ヲ以テ病ヲ治スル方カアルト云コトシヤ。此内ノ四大ト。外ノ四大ト。相順スレハ增長スル。相違スレハ敗壊スル。ミナ面白キコトシヤ。此内ノ四大ニ色身强弱ノ差別。志性智愚ノ差別アリ。外ノ四大ニ土地ノ墳壊。気候ノ調不アリ。此等ノ差排。コトコトク面白キコトシヤ。

現代語訳

天竺の医方明(医学)では、この四大によって病を察し、四大によって病を治療するということである。風大の病に百一、火大の病に百一、水大の病に百一、四大が入り混じる病に百一、これを四百四病とする。それゆえ水を服して病を治す方法がある。身に灸をして病を治す方法がある。天地の気を服して病を治す方法がある。もちろん地大の薬物によって病を治す方法があるということである。この内の四大と外の四大とが、互いに順えば増長する。互いに違えば敗れ壊れる。みな面白いことである。この内の四大に、色身の強弱の差別、志や性、智愚の差別がある。外の四大に、土地の肥えた痩せた、気候の調う調わないがある。これらの按配は、ことごとく面白いことである。

解説

インドの医学である医方明では、病を四大の乱れとして見立て、四大によって治すという。風・火・水の病と四大が混じる病に各百一、合わせて四百四病である。水を飲む、灸をすえる、気を取り入れる、地の薬を用いる、という療法はそれぞれ四大に対応している。体の内の四大と外の四大が調和すれば育ち、背けば壊れる。体の強弱や性格の違い、土地の肥痩や気候の違いも、みなその按配だと尊者は面白がる。体調や気分を、内と外の調和の問題として眺める視点は今も役に立つ。
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この章句が説くこと

四大医方明病調和四百四病按配

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