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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

又文ニ何以當觀嗔恚之相。解於深義不卒懟恨。若怒難解。無有哀心。所言至誠。惡口麁獷。普懷狐疑不尋信人。喜求他短多寤少寐。多有怨憎結友究竟。仇讎難和所受不忘。無有恐驚。人怖不懼。多力反德。不能下屈。身體長大肥頸大頭。肩廣肩方額好髪勇猛。若有失財永無愁願。難進難退。是爲嗔恚相ト。此者多ハ斷見ヲ好ム等シヤ。此多婬ノ人ハ不淨觀ヲ修シテ法ニ入ベシ。此多嗔恚ノ者ハ慈悲ヲ修スヘシ。看ヨ。此等因緣アリテ此色身アル。色身ハ心ヲ顯ス。此色心アリテ此法隨逐スル。面白キコトシヤ。

新字:又文ニ何以当観嗔恚之相。解於深義不卒懟恨。若怒難解。無有哀心。所言至誠。悪口麁獷。普懐狐疑不尋信人。喜求他短多寤少寐。多有怨憎結友究竟。仇讎難和所受不忘。無有恐驚。人怖不懼。多力反徳。不能下屈。身体長大肥頸大頭。肩広肩方額好髪勇猛。若有失財永無愁願。難進難退。是為嗔恚相ト。此者多ハ断見ヲ好ム等シヤ。此多婬ノ人ハ不浄観ヲ修シテ法ニ入ベシ。此多嗔恚ノ者ハ慈悲ヲ修スヘシ。看ヨ。此等因縁アリテ此色身アル。色身ハ心ヲ顕ス。此色心アリテ此法随逐スル。面白キコトシヤ。

書き下し

又文ニ何以当観嗔恚之相。解於深義不卒懟恨。若怒難解。無有哀心。所言至誠。悪口麁獷。普懐狐疑不尋信人。喜求他短多寤少寐。多有怨憎結友究竟。仇讎難和所受不忘。無有恐驚。人怖不懼。多力反徳。不能下屈。身体長大肥頸大頭。肩広肩方額好髪勇猛。若有失財永無愁願。難進難退。是為嗔恚相ト。此者多ハ断見ヲ好ム等シヤ。此多婬ノ人ハ不浄観ヲ修シテ法ニ入ベシ。此多嗔恚ノ者ハ慈悲ヲ修スヘシ。看ヨ。此等因縁アリテ此色身アル。色身ハ心ヲ顕ス。此色心アリテ此法随逐スル。面白キコトシヤ。

現代語訳

また、その文に次のようにある。何によって瞋恚の相を観るべきか。深い意味を理解するが、にわかには恨まない。もし怒れば解けにくい。哀れみの心がない。言うことは誠実である。悪口を言い荒々しい。広く疑いを抱いて、容易に人を信じない。他人の短所を求めることを好む。目覚めていることが多く眠りが少ない。恨みや憎しみが多く、友との交わりは最後まで続く。仇とは和解しがたく、受けたことを忘れない。恐れ驚くことがない。人が恐れても恐れない。力が強く、反復して屈しない。体が長大で、首が太く頭が大きい。肩が広く四角く、額がよく、髪がよく、勇猛である。もし財を失っても、いつまでも憂えることがない。進みにくく退きにくい。これが瞋恚の相である、と。この者は多く断見を好むなどである。この婬欲の多い人は不浄観を修めて法に入るべきである。この瞋恚の多い者は慈悲を修めるべきである。見よ。これらの因縁があってこの肉体がある。肉体は心を現す。この肉体と心があって、この法が付き従う。面白いことである。

解説

続いて怒りの強い人の特徴が挙がる。すぐには恨まないが、怒ると解けにくい。言葉は誠実だが荒く、人を疑い、他人の短所を探す。一方で友情は最後まで続き、恐れず、財を失っても嘆かない。貪りの強い人とはほぼ正反対の姿である。処方も異なり、貪りの強い人には身体の不浄を観じる不浄観、怒りの強い人には慈悲の観法を勧める。身体と心と合う法が縁として結びついている、と尊者は見る。自分の傾向を知って対処を選ぶ、という自己理解の手がかりになる。

この章句が説くこと

瞋恚慈悲不浄観機根修行道地経断見

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