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十善法語 / 巻第九・不瞋恚戒

眼中ニ空アリテ此色ヲ視ル。耳鼻口門ニ空アリテ此聲ヲ聞キ。此香ヲ嗅キ。此味ヲ知ル。身中ニ空アリテ。此觸ヲ覺スル。胸中肚裏臟腑皆空アリテ善惡邪正是非得失アル。世ニ處シテ瞋恚ヲ生スルハ。愚ノ至ト云ヘキシヤ。此色アル。唯是空中ノ影シヤ。此聲アル。唯是空中ノ影シヤ。此香アル。唯是空中ノ影シヤ。此味アル。唯是空中ノ影シヤ。此觸アル。唯是空中ノ影シヤ。此善惡邪正是非得失アル。唯是空中ノ影シヤ。此貪欲アル。唯是空中ノ影シヤ。此瞋恚アル。唯是空中ノ影シヤ。

新字:眼中ニ空アリテ此色ヲ視ル。耳鼻口門ニ空アリテ此声ヲ聞キ。此香ヲ嗅キ。此味ヲ知ル。身中ニ空アリテ。此触ヲ覚スル。胸中肚裏臓腑皆空アリテ善悪邪正是非得失アル。世ニ処シテ瞋恚ヲ生スルハ。愚ノ至ト云ヘキシヤ。此色アル。唯是空中ノ影シヤ。此声アル。唯是空中ノ影シヤ。此香アル。唯是空中ノ影シヤ。此味アル。唯是空中ノ影シヤ。此触アル。唯是空中ノ影シヤ。此善悪邪正是非得失アル。唯是空中ノ影シヤ。此貪欲アル。唯是空中ノ影シヤ。此瞋恚アル。唯是空中ノ影シヤ。

書き下し

眼中ニ空アリテ此色ヲ視ル。耳鼻口門ニ空アリテ此声ヲ聞キ。此香ヲ嗅キ。此味ヲ知ル。身中ニ空アリテ。此触ヲ覚スル。胸中肚裏臓腑皆空アリテ善悪邪正是非得失アル。世ニ処シテ瞋恚ヲ生スルハ。愚ノ至ト云ヘキシヤ。此色アル。唯是空中ノ影シヤ。此声アル。唯是空中ノ影シヤ。此香アル。唯是空中ノ影シヤ。此味アル。唯是空中ノ影シヤ。此触アル。唯是空中ノ影シヤ。此善悪邪正是非得失アル。唯是空中ノ影シヤ。此貪欲アル。唯是空中ノ影シヤ。此瞋恚アル。唯是空中ノ影シヤ。

現代語訳

眼の中に空があって、この色を見る。耳・鼻・口の門に空があって、この声を聞き、この香を嗅ぎ、この味を知る。身の中に空があって、この触れるものを覚える。胸の中、腹の中、臓腑にみな空があって、善悪・邪正・是非・得失がある。世に処して瞋恚を生じるのは、愚の至りと言うべきである。この色がある。ただこれ空中の影である。この声がある。ただこれ空中の影である。この香がある。ただこれ空中の影である。この味がある。ただこれ空中の影である。この触れるものがある。ただこれ空中の影である。この善悪・邪正・是非・得失がある。ただこれ空中の影である。この貪欲がある。ただこれ空中の影である。この瞋恚がある。ただこれ空中の影である。

解説

感覚の側から空を説く。眼に空があるから色が見え、耳鼻口に空があるから声や香や味を知り、胸や腹に空があるから善悪是非得失を思う。空がなければ何も入ってこない。そして入ってくる色も声も、是非得失も、貪欲も瞋恚も、すべて空中に映る影にすぎないと尊者は畳みかける。影に向かって怒るのは愚の至りである。怒りそのものも影だと見ることで、怒りに飲み込まれずに眺める余地が生まれる。感情を事実と取り違えないための一節である。

この章句が説くこと

六根瞋恚貪欲是非

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この一句を、あなたの毎日に。

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