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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

此十善ノ中。不兩舌戒相ノ世間ニ顯ルルハ。面白キモノシヤ。經中ニ。色ノ邊際ニ極微ヲ說ク。此極微兩兩相合シテ萬物化成スト云コトシヤ。心ノ邊際ニ一念ヲ說ク。此一念相似相續シテ。念相成就スト云コトシヤ。心自ラ心ナラス。境ニ對シテ是非得失ヲ成ス。境自ラ境ナラス。心ニ對シテ成壞起滅ス。且ク一類ノ業相牽來テ。此人間世界ガアル。物ニ隨テ其道ガ顯ルル。リ處ニ隨テ其智カ生スル。ミナ友愛親好ノ德相ナラヌコトハナキシヤ。

新字:此十善ノ中。不両舌戒相ノ世間ニ顕ルルハ。面白キモノシヤ。経中ニ。色ノ辺際ニ極微ヲ説ク。此極微両両相合シテ万物化成スト云コトシヤ。心ノ辺際ニ一念ヲ説ク。此一念相似相続シテ。念相成就スト云コトシヤ。心自ラ心ナラス。境ニ対シテ是非得失ヲ成ス。境自ラ境ナラス。心ニ対シテ成壊起滅ス。且ク一類ノ業相牽来テ。此人間世界ガアル。物ニ随テ其道ガ顕ルル。リ処ニ随テ其智カ生スル。ミナ友愛親好ノ徳相ナラヌコトハナキシヤ。

書き下し

此十善ノ中。不両舌戒相ノ世間ニ顕ルルハ。面白キモノシヤ。経中ニ。色ノ辺際ニ極微ヲ説ク。此極微両両相合シテ万物化成スト云コトシヤ。心ノ辺際ニ一念ヲ説ク。此一念相似相続シテ。念相成就スト云コトシヤ。心自ラ心ナラス。境ニ対シテ是非得失ヲ成ス。境自ラ境ナラス。心ニ対シテ成壊起滅ス。且ク一類ノ業相牽来テ。此人間世界ガアル。物ニ随テ其道ガ顕ルル。リ処ニ随テ其智カ生スル。ミナ友愛親好ノ徳相ナラヌコトハナキシヤ。

現代語訳

この十善の中で、不両舌戒の相が世間に現れるのは面白いものである。経の中に、物質の極限に極微を説く。この極微が二つずつ合わさって万物が化成するということだ。心の極限に一念を説く。この一念が似たものとして相続して、念の相が成就するということだ。心はみずから心なのではない。対象に対して是非得失を成す。対象はみずから対象なのではない。心に対して成り壊れ、起こり滅する。しばらく一類の業が互いに引き合ってきて、この人間世界がある。物に従ってその道が現れる。居る場所に従ってその智が生じる。みな友愛親好の徳の相でないものはないのである。

解説

話はふたたび世界の成り立ちに戻る。説一切有部の論書は、物質の最小単位を極微とし、それが結び合って万物ができると説いた。心の側では一瞬の念が似たまま続いて思いの形になる。心は対象があって是非を生み、対象は心があって生滅する。同じような業を持つ者が引き合ってこの人間世界ができ、物にはそれぞれの道が、場所にはそれぞれの智が生じる。すべては結び合う働き、つまり友愛親好の姿だという。小さな結びつきの積み重ねが全体を作るという見方は、組織にもあてはまる。

この章句が説くこと

極微一念友愛縁起是非

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この一句を、あなたの毎日に。

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