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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

若念僧事ニ屬スレハ。自ラ法ニ隨順スルヤ隨順セサルヤヲ思惟ス。法ニ隨順セサルコトハ速ニ止ル。法ニ隨順スルコトハ。又時宜ニ相應スルヤ相應セサルヤヲ思惟ス。時宜ニ相應セヌト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜相應スト知レハ上座若ハ知事人ニ告ル。上座若ハ知事コレヲ聞テ其言理ニ當ヤ不ヤヲ察ス。其言理ニ當ラサレハ諫諭シテ止シム。若理ニ當ルト知レハ又時宜ニ適ヤ不ヤヲ察ス。時宜ニ適セズト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜ニ適フト知レハ大衆和合シテコレヲ用フル。一言トイヘトモ此ヲ容易ニセス。一事トイヘトモ此ヲ捨置カヌ。上座モ如是ナレハ。下座モ如是ナリ。年少モ如是ナレハ。長老モ如是。若禪定相應セハ此ヲ聖語ト名ツクル。

新字:若念僧事ニ属スレハ。自ラ法ニ随順スルヤ随順セサルヤヲ思惟ス。法ニ随順セサルコトハ速ニ止ル。法ニ随順スルコトハ。又時宜ニ相応スルヤ相応セサルヤヲ思惟ス。時宜ニ相応セヌト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜相応スト知レハ上座若ハ知事人ニ告ル。上座若ハ知事コレヲ聞テ其言理ニ当ヤ不ヤヲ察ス。其言理ニ当ラサレハ諫諭シテ止シム。若理ニ当ルト知レハ又時宜ニ適ヤ不ヤヲ察ス。時宜ニ適セズト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜ニ適フト知レハ大衆和合シテコレヲ用フル。一言トイヘトモ此ヲ容易ニセス。一事トイヘトモ此ヲ捨置カヌ。上座モ如是ナレハ。下座モ如是ナリ。年少モ如是ナレハ。長老モ如是。若禅定相応セハ此ヲ聖語ト名ツクル。

書き下し

若念僧事ニ属スレハ。自ラ法ニ随順スルヤ随順セサルヤヲ思惟ス。法ニ随順セサルコトハ速ニ止ル。法ニ随順スルコトハ。又時宜ニ相応スルヤ相応セサルヤヲ思惟ス。時宜ニ相応セヌト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜相応スト知レハ上座若ハ知事人ニ告ル。上座若ハ知事コレヲ聞テ其言理ニ当ヤ不ヤヲ察ス。其言理ニ当ラサレハ諫諭シテ止シム。若理ニ当ルト知レハ又時宜ニ適ヤ不ヤヲ察ス。時宜ニ適セズト知レハ他時異日ヲ待ツ。若時宜ニ適フト知レハ大衆和合シテコレヲ用フル。一言トイヘトモ此ヲ容易ニセス。一事トイヘトモ此ヲ捨置カヌ。上座モ如是ナレハ。下座モ如是ナリ。年少モ如是ナレハ。長老モ如是。若禅定相応セハ此ヲ聖語ト名ツクル。

現代語訳

もし思いが僧の事に属すれば、みずからそれが法に随順するか随順しないかを思惟する。法に随順しないことはすみやかにやめる。法に随順することは、さらに時宜にかなうかかなわないかを思惟する。時宜にかなわないと知れば、他の時、別の日を待つ。もし時宜にかなうと知れば、上座あるいは知事の人に告げる。上座あるいは知事はこれを聞いて、その言葉が理にかなうかどうかを察する。その言葉が理にかなわなければ、諫め諭してやめさせる。もし理にかなうと知れば、さらに時宜に適うかどうかを察する。時宜に適わないと知れば、他の時、別の日を待つ。もし時宜に適うと知れば、大衆が和合してこれを用いる。一言であってもこれを軽々しくしない。一事であってもこれを捨て置かない。上座もこのようであれば、下座もこのようである。年少もこのようであれば、長老もこのようである。もし禅定と相応すれば、これを聖語と名づける。

解説

組織の中で提案がどう扱われるべきかを、驚くほど具体的に描いた一節である。思いついたことが法にかなうかをまず自分で吟味し、かなっても時宜に合わなければ待つ。時宜に合えば上座や係に告げ、受けた側もまた理にかなうか、時宜に合うかを二重に確かめ、合えば皆で和合して用いる。一言も軽んじず、一事も放置しない。この手順は上座にも下座にも等しく適用される。提案の吟味と合意形成の作法として、今日の会議運営にもそのまま使える。

この章句が説くこと

意和敬時宜合意提案和合

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