十善法語 / 巻第七・不兩舌戒
經中ニ袈裟段四寸ヲ得レハ。神祇守護ストアル。安居自恣等皆此法アリテ成就スル。此法如法ナレバ戒德漸次ニ成就スルト云コトシヤ。食事此法有テ成就スル。藥事此法アリテ成就スル。經ヲ誦スルニ同業同誦ノ法アリ。經ヲ受ルニ逐句隨受ノ法アリ。行道ニ賢聖默然ト法語トノ法アリ。二六時中ミナ此法アリテ。此ヲ守ル者ハ賢聖ノ地位ニモ到ルト云コトシヤ。煩惱無明ノ惡法ニ惑ハサレヌト云コトシヤ。貴姓出家モ其種族ニホコラヌ。大富饒財モ其富有ニホコラヌ。博識多聞モ其智解ニホコラヌ。上座ノ教詰。師僧ノ教誠。佛世ヨリ相承テ今日ニ至ルシヤ。
新字:経中ニ袈裟段四寸ヲ得レハ。神祇守護ストアル。安居自恣等皆此法アリテ成就スル。此法如法ナレバ戒徳漸次ニ成就スルト云コトシヤ。食事此法有テ成就スル。薬事此法アリテ成就スル。経ヲ誦スルニ同業同誦ノ法アリ。経ヲ受ルニ逐句随受ノ法アリ。行道ニ賢聖黙然ト法語トノ法アリ。二六時中ミナ此法アリテ。此ヲ守ル者ハ賢聖ノ地位ニモ到ルト云コトシヤ。煩悩無明ノ悪法ニ惑ハサレヌト云コトシヤ。貴姓出家モ其種族ニホコラヌ。大富饒財モ其富有ニホコラヌ。博識多聞モ其智解ニホコラヌ。上座ノ教詰。師僧ノ教誠。仏世ヨリ相承テ今日ニ至ルシヤ。
書き下し
経中ニ袈裟段四寸ヲ得レハ。神祇守護ストアル。安居自恣等皆此法アリテ成就スル。此法如法ナレバ戒徳漸次ニ成就スルト云コトシヤ。食事此法有テ成就スル。薬事此法アリテ成就スル。経ヲ誦スルニ同業同誦ノ法アリ。経ヲ受ルニ逐句随受ノ法アリ。行道ニ賢聖黙然ト法語トノ法アリ。二六時中ミナ此法アリテ。此ヲ守ル者ハ賢聖ノ地位ニモ到ルト云コトシヤ。煩悩無明ノ悪法ニ惑ハサレヌト云コトシヤ。貴姓出家モ其種族ニホコラヌ。大富饒財モ其富有ニホコラヌ。博識多聞モ其智解ニホコラヌ。上座ノ教詰。師僧ノ教誠。仏世ヨリ相承テ今日ニ至ルシヤ。
現代語訳
経の中に、袈裟の切れ端四寸を得れば、神々が守護する、とある。安居や自恣などもみなこの法によって成就する。この法が法のとおりであれば、戒の徳が次第に成就するということだ。食事はこの法によって成就する。薬のことはこの法によって成就する。経を誦えるには、同じ業の者が同じく誦える法がある。経を受けるには、一句ずつ従って受ける法がある。行道には、賢聖の沈黙と法語との法がある。一日中みなこの法があって、これを守る者は賢聖の位にも到るということだ。煩悩無明の悪法に惑わされないということだ。貴い家柄から出家した者も、その種族を誇らない。大いに富んだ者も、その富を誇らない。博識で多聞な者も、その知解を誇らない。上座の教えと戒め、師僧の教誡が、仏の世から相承して今日に至るのである。
解説
この章句が説くこと
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