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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

行住坐臥ミナ法アルシヤ。坐ハ全跏半跏ノ法アリ。住ハ安坐踞跪ノ法アリ。行ハ獨行共行大衆及經行ノ法アリ。臥ハ右脇累足ノ臥法アリ。若法ヲ執行スルトキハ。一人坐シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ坐ス。一人立テ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ立。一人長跪シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ長跪ス。衆事畢ラサレバ。一人猥リニ席ヲ離レヌ。衆僧露地ニ坐スレハ。一人猥リニ屋下ニ居セス。ミナ聖制アリテ。軌度ミタレヌシヤ。此等ノ類ヲ身和敬ト云。此モ近世ハ大ニ違フタコトシヤ。

新字:行住坐臥ミナ法アルシヤ。坐ハ全跏半跏ノ法アリ。住ハ安坐踞跪ノ法アリ。行ハ独行共行大衆及経行ノ法アリ。臥ハ右脇累足ノ臥法アリ。若法ヲ執行スルトキハ。一人坐シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ坐ス。一人立テ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ立。一人長跪シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ長跪ス。衆事畢ラサレバ。一人猥リニ席ヲ離レヌ。衆僧露地ニ坐スレハ。一人猥リニ屋下ニ居セス。ミナ聖制アリテ。軌度ミタレヌシヤ。此等ノ類ヲ身和敬ト云。此モ近世ハ大ニ違フタコトシヤ。

書き下し

行住坐臥ミナ法アルシヤ。坐ハ全跏半跏ノ法アリ。住ハ安坐踞跪ノ法アリ。行ハ独行共行大衆及経行ノ法アリ。臥ハ右脇累足ノ臥法アリ。若法ヲ執行スルトキハ。一人坐シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ坐ス。一人立テ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ立。一人長跪シテ法ヲ秉スレハ。大衆ミナ長跪ス。衆事畢ラサレバ。一人猥リニ席ヲ離レヌ。衆僧露地ニ坐スレハ。一人猥リニ屋下ニ居セス。ミナ聖制アリテ。軌度ミタレヌシヤ。此等ノ類ヲ身和敬ト云。此モ近世ハ大ニ違フタコトシヤ。

現代語訳

行住坐臥にみな法がある。坐には全跏と半跏の法がある。住には安坐と踞跪の法がある。行には独りで行く、共に行く、大衆で行く、および経行の法がある。臥には右脇を下にして足を重ねる臥法がある。もし法を執り行うときは、一人が坐って法を執れば、大衆はみな坐る。一人が立って法を執れば、大衆はみな立つ。一人が長跪して法を執れば、大衆はみな長跪する。衆の事が終わらなければ、一人がみだりに席を離れない。衆僧が露地に坐れば、一人がみだりに屋根の下にいない。みな聖なる制があって、規矩が乱れないのである。これらの類を身和敬という。これも近世は大いに違ってしまったことである。

解説

身和敬の締めくくりとして、歩く、立つ、坐る、臥すの四つの振る舞いすべてに作法があることを示す。とりわけ印象的なのは、儀式で一人が坐れば皆坐り、立てば皆立つ、皆が外に坐っているのに一人だけ屋根の下に入らない、という決まりである。身体の動きをそろえることで、集団の心が一つになる。仏は右脇を下にして横たわったと伝えられ、それが臥法の型となった。会議や式典で自分だけ先に席を立たない、という配慮にも通じる話である。

この章句が説くこと

身和敬行住坐臥威儀規律和合

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