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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

第四身和敬ト云ハ。初ニ此剃髮染衣カ釋迦佛一化ノ通相シヤ。佛世ノ五比丘三迦葉ヨリ今日初受戒ノ人ニ至ルマテ。此身相別儀ナキシヤ。同一圓頗デ。髪ヲトトメヌシヤ。鬚ヲトトメヌシヤ。律中ニ。頂ニ小髻ヲトトメ。若ハ髪ヲ剃テ鬚ヲトトメ。鬚ヲ剃テ髪ヲトトム。皆非法ナリトアル。同一袈裟衣凡聖齊ク奉持スル。其中財體ハ。律ニ錦綺綾羅等ハ非法トアル。涅槃經ニ。好衣服ヲ好ムハ法滅ノ相ト云。又律文ニ。木皮草皮皮衣羽衣等ハ外道ノ服ナリトアル。妙臂菩薩經ニ。絹衣ヲ用フヘカラストアル。染色ノ法ハ。靑黑木蘭ノ三如法色ト云コトシヤ。律ニ純黑。純黃。純赤。紫。緋。紺。綠。硫黄等。ミナ非法ナリトアル。經ニ法滅ノ時。袈裟白色ニ變ストアル。製作ノ法ハ。五條七條等ノ相。乃至二十五條。ソノ中長短ミナ法アルコトシヤ。

新字:第四身和敬ト云ハ。初ニ此剃髪染衣カ釈迦仏一化ノ通相シヤ。仏世ノ五比丘三迦葉ヨリ今日初受戒ノ人ニ至ルマテ。此身相別儀ナキシヤ。同一円頗デ。髪ヲトトメヌシヤ。鬚ヲトトメヌシヤ。律中ニ。頂ニ小髻ヲトトメ。若ハ髪ヲ剃テ鬚ヲトトメ。鬚ヲ剃テ髪ヲトトム。皆非法ナリトアル。同一袈裟衣凡聖斉ク奉持スル。其中財体ハ。律ニ錦綺綾羅等ハ非法トアル。涅槃経ニ。好衣服ヲ好ムハ法滅ノ相ト云。又律文ニ。木皮草皮皮衣羽衣等ハ外道ノ服ナリトアル。妙臂菩薩経ニ。絹衣ヲ用フヘカラストアル。染色ノ法ハ。青黒木蘭ノ三如法色ト云コトシヤ。律ニ純黒。純黄。純赤。紫。緋。紺。緑。硫黄等。ミナ非法ナリトアル。経ニ法滅ノ時。袈裟白色ニ変ストアル。製作ノ法ハ。五条七条等ノ相。乃至二十五条。ソノ中長短ミナ法アルコトシヤ。

書き下し

第四身和敬ト云ハ。初ニ此剃髪染衣カ釈迦仏一化ノ通相シヤ。仏世ノ五比丘三迦葉ヨリ今日初受戒ノ人ニ至ルマテ。此身相別儀ナキシヤ。同一円頗デ。髪ヲトトメヌシヤ。鬚ヲトトメヌシヤ。律中ニ。頂ニ小髻ヲトトメ。若ハ髪ヲ剃テ鬚ヲトトメ。鬚ヲ剃テ髪ヲトトム。皆非法ナリトアル。同一袈裟衣凡聖斉ク奉持スル。其中財体ハ。律ニ錦綺綾羅等ハ非法トアル。涅槃経ニ。好衣服ヲ好ムハ法滅ノ相ト云。又律文ニ。木皮草皮皮衣羽衣等ハ外道ノ服ナリトアル。妙臂菩薩経ニ。絹衣ヲ用フヘカラストアル。染色ノ法ハ。青黒木蘭ノ三如法色ト云コトシヤ。律ニ純黒。純黄。純赤。紫。緋。紺。緑。硫黄等。ミナ非法ナリトアル。経ニ法滅ノ時。袈裟白色ニ変ストアル。製作ノ法ハ。五条七条等ノ相。乃至二十五条。ソノ中長短ミナ法アルコトシヤ。

現代語訳

第四の身和敬というのは、まずこの剃髪と染めた衣が、釈迦仏の一代の教化に通じる姿である。仏の世の五比丘や三迦葉から、今日初めて戒を受けた人に至るまで、この身の姿に別のありさまはない。同一の丸い頭であって、髪を留めない。鬚を留めない。律の中に、頭頂に小さな髻を留めること、あるいは髪を剃って鬚を留めること、鬚を剃って髪を留めることは、みな非法である、とある。同一の袈裟衣を、凡夫も聖者も等しく奉持する。その中で布の材質は、律に、錦・綺・綾・羅などは非法である、とある。涅槃経に、よい衣服を好むのは法が滅びる相である、という。また律の文に、木の皮・草の皮・獣の皮の衣・羽の衣などは外道の服である、とある。妙臂菩薩経に、絹の衣を用いてはならない、とある。染め色の法は、青・黒・木蘭の三つの如法色だということだ。律に、純黒・純黄・純赤・紫・緋・紺・緑・硫黄色などは、みな非法である、とある。経に、法が滅びるときには袈裟が白色に変わる、とある。作り方の法は、五条・七条などの形、さらには二十五条まで、その中の長短にみな法があるのである。

解説

六和敬の第四、身和敬は、姿形を同じくすることである。最初の弟子である五比丘や、迦葉三兄弟から今日の新米の僧まで、剃髪し染衣をまとう姿は変わらない。髪や鬚を一部だけ残すことも許されない。袈裟の素材は錦や絹を避け、色は青・黒・木蘭の壊色に限り、条数や寸法にも定めがある。正法律を唱えて戒律の復興に努めた尊者らしい、細部へのこだわりである。見た目をそろえることは個性を消すためでなく、上下や貧富の差を表に出さず和合を保つためのものと読める。

この章句が説くこと

身和敬袈裟剃髪戒律和合

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