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十善法語 / 巻第七・不兩舌戒

此戒和敬ノ儀ニ安居ト云コトガアルシヤ。此ハ年ノ二時。年ノ三時ニ要期ヲ立テトリ行フ法シヤ。今時ハ多ハ冬夏二時ニ安居スルシヤ。其夏安居滿スル日ハ。上中下坐各各草座ニ膝ヲ屈シ。衆僧ノ擧罪ヲ請フ。是モ凡聖同一儀シヤ。新歲經ニ。衆僧各各相謝。懺悔所失訖。還復坐其本位。佛時見衆各還位坐。佛垂慈愍。因從座起。而自叉手。向諸比丘言。諸比丘衆。當和心相向。向汝悔過トアル。此儀シヤ。三千年來此ニ異途ハナキシヤ。近世已來此ニ異儀ヲ存スルハ。小根劣機。分受異見ノ差排ト云モノシヤ。

新字:此戒和敬ノ儀ニ安居ト云コトガアルシヤ。此ハ年ノ二時。年ノ三時ニ要期ヲ立テトリ行フ法シヤ。今時ハ多ハ冬夏二時ニ安居スルシヤ。其夏安居満スル日ハ。上中下坐各各草座ニ膝ヲ屈シ。衆僧ノ挙罪ヲ請フ。是モ凡聖同一儀シヤ。新歳経ニ。衆僧各各相謝。懺悔所失訖。還復坐其本位。仏時見衆各還位坐。仏垂慈愍。因従座起。而自叉手。向諸比丘言。諸比丘衆。当和心相向。向汝悔過トアル。此儀シヤ。三千年来此ニ異途ハナキシヤ。近世已来此ニ異儀ヲ存スルハ。小根劣機。分受異見ノ差排ト云モノシヤ。

書き下し

此戒和敬ノ儀ニ安居ト云コトガアルシヤ。此ハ年ノ二時。年ノ三時ニ要期ヲ立テトリ行フ法シヤ。今時ハ多ハ冬夏二時ニ安居スルシヤ。其夏安居満スル日ハ。上中下坐各各草座ニ膝ヲ屈シ。衆僧ノ挙罪ヲ請フ。是モ凡聖同一儀シヤ。新歳経ニ。衆僧各各相謝。懺悔所失訖。還復坐其本位。仏時見衆各還位坐。仏垂慈愍。因従座起。而自叉手。向諸比丘言。諸比丘衆。当和心相向。向汝悔過トアル。此儀シヤ。三千年来此ニ異途ハナキシヤ。近世已来此ニ異儀ヲ存スルハ。小根劣機。分受異見ノ差排ト云モノシヤ。

現代語訳

この戒和敬のありさまに、安居ということがある。これは年に二時、あるいは年に三時に期間を定めて執り行う法である。今どきは多くは冬と夏の二時に安居する。その夏安居が満ちる日には、上座・中座・下座がそれぞれ草の座に膝を屈め、衆僧に自分の罪を挙げてくれるよう請う。これも凡夫と聖者が同一のありさまである。新歳経に、衆僧がそれぞれ互いに謝り、失ったところを懺悔し終わって、元の自分の座に戻った。仏はそのとき、衆がそれぞれ位置に戻って座ったのを見て、慈しみを垂れ、座から立ち上がり、みずから叉手して、諸比丘に向かって言われた。諸比丘衆よ、和らいだ心で向き合いなさい。私はあなたがたに向かって過ちを悔いる、とある。このありさまである。三千年来、これに異なる道はない。近世以来これに異なる作法があるのは、根機が小さく劣った者が、分けて受けた異なる見解の配置というものである。

解説

安居は雨期などに一か所にこもって修行する期間で、その最終日に行う自恣では、上座も下座も草の座に膝をつき、自分の過ちを指摘してくれるよう皆に請う。新歳経によれば、仏みずからも座を立ち、手を組んで比丘たちに向かい、和らいだ心で向き合おう、私もあなたがたに悔過する、と言われた。最も尊い者が先に頭を下げるという作法である。上に立つ人が自分の非を率先して開き、指摘を請う姿勢が、和合を支えるいちばん確かな土台になることを教えている。

この章句が説くこと

安居自恣懺悔和合戒和敬新歳経

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