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十善法語 / 巻第六・不惡口戒

點檢シ將來レハ。三界悉ク唯一大夢シヤ。此者ノ夢ハ彼者ハ知ラヌ。彼者ノ夢ハ此者ハ知ラヌ。一塵ノ中ニ彼彼ノ世界ヲ建立ス。同類業ノ者カ其中ニ依住シテ。言語往來スル。一刹那ノ中ニ年月日時諸ノ却數ヲ建立シテ。同業同類ノ者。其中ニ生シ其中ニ死シテ悲ミ悅フ。更ニ謬レハ。自他憍慢ニ役使セラレテ。三業ノ惡口ヲ生スル。此ニ因テ三途ニ頭出頭沒スルシヤ。

新字:点検シ将来レハ。三界悉ク唯一大夢シヤ。此者ノ夢ハ彼者ハ知ラヌ。彼者ノ夢ハ此者ハ知ラヌ。一塵ノ中ニ彼彼ノ世界ヲ建立ス。同類業ノ者カ其中ニ依住シテ。言語往来スル。一刹那ノ中ニ年月日時諸ノ却数ヲ建立シテ。同業同類ノ者。其中ニ生シ其中ニ死シテ悲ミ悦フ。更ニ謬レハ。自他憍慢ニ役使セラレテ。三業ノ悪口ヲ生スル。此ニ因テ三途ニ頭出頭没スルシヤ。

書き下し

点検シ将来レハ。三界悉ク唯一大夢シヤ。此者ノ夢ハ彼者ハ知ラヌ。彼者ノ夢ハ此者ハ知ラヌ。一塵ノ中ニ彼彼ノ世界ヲ建立ス。同類業ノ者カ其中ニ依住シテ。言語往来スル。一刹那ノ中ニ年月日時諸ノ却数ヲ建立シテ。同業同類ノ者。其中ニ生シ其中ニ死シテ悲ミ悅フ。更ニ謬レハ。自他憍慢ニ役使セラレテ。三業ノ悪口ヲ生スル。此ニ因テ三途ニ頭出頭没スルシヤ。

現代語訳

点検してみれば、三界はことごとくただ一つの大きな夢である。この者の夢はあの者は知らない。あの者の夢はこの者は知らない。一つの塵の中に、それぞれの世界を建立する。同類の業の者がその中に依り住んで、言葉を交わし往来する。一刹那の中に年月日時や諸々の劫の数を建立して、同じ業、同じ類の者がその中に生まれその中に死んで、悲しみ喜ぶ。さらに誤れば、自他の驕りに使われて三業の悪口を生じる。これによって三途(地獄・餓鬼・畜生)に浮き沈みするのである。

解説

三界はすべて一つの大きな夢であり、人はそれぞれ自分の夢の中にいて、互いの夢を知らないと慈雲は言う。同じ業をもつ者どうしが一つの世界を作り、その中で生まれ死に、喜び悲しむ。その夢の中でさらに自他を分けて驕れば、身口意で人を侮る悪口が生まれ、悪道に浮き沈みすることになる。自分の見ている世界も一つの夢にすぎないと知れば、他人を見下す根拠も薄れる。互いに違う夢を見ていると認め合うことが、侮りを離れる第一歩になる。

この章句が説くこと

三界憍慢悪口

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