十善法語 / 巻第二・不偸盜戒
總シテ小根劣機ノ者ハ先入ル言主トナル。自ラ知トコロヲ是トス。儒者ヨリ老子佛者ノ道ヲ蔑ニスル。道者ヨリ佛法儒道ヲ謗ル。ミナ愚ノ至リシヤ。凡ソ一事一藝デモ萬代ニ推通シテ用ルコトハ。各各其德有ルモノソ。妄ニ廢スルコトハワロキシヤ。マシテ道ト稱シテ尊重スルコトハ。其由來有ルヘシ。其道ニ入テ學ハネハ知レヌコトシヤ。道ニ聽テ途ニ說ハ德ノ棄ナリシヤ。知スシテ妄ニ評判スルハ。皆碌碌タル小人ノ好ムトコロシヤ。
新字:総シテ小根劣機ノ者ハ先入ル言主トナル。自ラ知トコロヲ是トス。儒者ヨリ老子仏者ノ道ヲ蔑ニスル。道者ヨリ仏法儒道ヲ謗ル。ミナ愚ノ至リシヤ。凡ソ一事一芸デモ万代ニ推通シテ用ルコトハ。各各其徳有ルモノソ。妄ニ廃スルコトハワロキシヤ。マシテ道ト称シテ尊重スルコトハ。其由来有ルヘシ。其道ニ入テ学ハネハ知レヌコトシヤ。道ニ聴テ途ニ説ハ徳ノ棄ナリシヤ。知スシテ妄ニ評判スルハ。皆碌碌タル小人ノ好ムトコロシヤ。
書き下し
総シテ小根劣機ノ者ハ先入ル言主トナル。自ラ知トコロヲ是トス。儒者ヨリ老子仏者ノ道ヲ蔑ニスル。道者ヨリ仏法儒道ヲ謗ル。ミナ愚ノ至リシヤ。凡ソ一事一芸デモ万代ニ推通シテ用ルコトハ。各各其徳有ルモノソ。妄ニ廃スルコトハワロキシヤ。マシテ道ト称シテ尊重スルコトハ。其由来有ルヘシ。其道ニ入テ学ハネハ知レヌコトシヤ。道ニ聴テ途ニ説ハ徳ノ棄ナリシヤ。知スシテ妄ニ評判スルハ。皆碌碌タル小人ノ好ムトコロシヤ。
現代語訳
総じて器の小さい劣った者は、先に入った言葉が主となる。自ら知っている所を是とする。儒者からは老子や仏者の道を蔑ろにする。道家からは仏法や儒道を謗る。みな愚かさの極みである。およそ一事一芸でも、万代に通じて用いられることは、それぞれその徳があるものである。みだりに廃するのはよくないことである。まして道と称して尊重されることは、その由来があるはずである。その道に入って学ばなければ知れないことである。道で聞いたことを途中で説くのは徳を捨てることである。知らずにみだりに評判するのは、みな凡庸な小人の好む所である。
解説
この章句が説くこと
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