人物志 / 接識
夫清節之人,以正直為度,故其歷眾材也,能識性行之常,而或疑法術之詭。
新字:夫清節之人,以正直為度,故其歴眾材也,能識性行之常,而或疑法術之詭。
書き下し
夫れ清節の人は、正直を以て度と為す。故に其の衆材を歴るや、能く性行の常を識るも、或いは法術の詭を疑う。
現代語訳
清廉潔白な人は、実直さを判断の物差しにする。それゆえ、さまざまな人材を見渡すとき、常識的な性格や行いは見抜けるが、法や術策を巧みに操る人の奇抜なやり方についてはとかく疑ってかかってしまう。
解説
誠実で正直であることを何より重んじる人は、その分だけ判断の物差しも一つに偏りやすい。素直で常識的な人柄は見抜けても、駆け引きや戦略に長けた人のやり方は、下心があるのではと疑ってしまう。誠実さという美点そのものが、別の種類の有能さを見誤らせる原因になり得るという逆説である。自分の得意な見方に頼りすぎていないか、振り返る手がかりになる。
この章句が説くこと
誠実さの盲点評価の偏り多面的理解