人物志 / 利害
其為業也,無弊而常顯,故為世之所貴。
新字:其為業也,無弊而常顕,故為世之所貴。
書き下し
其の業為るや、弊無くして常に顕る。故に世の貴ぶ所と為る。
現代語訳
その仕事のあり方には弊害がなく、常にその功績が明らかである。それゆえ、世間から尊ばれる存在となる。
解説
人物志の利害篇は、様々な資質には功績とともに弊害がつきまとうことを説くが、この一文は数少ない例外として、徳の高潔さに基づく仕事には弊害がほとんどなく、常に評価され続けると述べている。才知や策略に基づく功績はしばしば裏目に出て恨みを買うこともあるが、誠実さそのものに基づく行いは時を経ても色褪せにくい。派手な成果を急がず、地道に誠実さを積み重ねる生き方が、遠回りに見えて実は最も安定した評価につながることを、この一文は静かに示している。
この章句が説くこと
徳の高潔さ弊害のなさ世の信頼