人物志 / 接識
故以己觀人,則以為可知也;觀人之察人,則以為不識也。
新字:故以己観人,則以為可知也;観人之察人,則以為不識也。
書き下し
故に己を以て人を観れば、則ち知る可しと以為い、人の人を察するを観れば、則ち識らずと以為う。
現代語訳
それゆえ、自分を基準にして人を観察すれば「見抜けるはずだ」と思う一方、他人が人を見定めているのを見ると「あの人はわかっていない」と思ってしまう。
解説
自分を基準にして他人を判断するとき、人は「これでわかるはずだ」と安心しやすい。ところが同じ物差しを他人が使っているのを見ると、なぜか「あの人はわかっていない」と感じてしまう。これは自分の判断基準を特別視する心理の表れであり、誰にでも起こりうる。人物評価に限らず、意見の違いを相手のせいにする前に、自分の物差し自体を疑ってみる余地がある。
この章句が説くこと
自己基準判断力相対化