人物志 / 利害
其為業也,峭而不裕,故或先得而後離眾。
書き下し
其の業為るや、峭にして裕ならず。故に或いは先に得て後に衆を離る。
現代語訳
その仕事のあり方は、厳格であって寛容さに欠ける。それゆえ、初めのうちは評価を得ても、後になって人々の心が離れていくことがある。
解説
規律や基準を厳しく貫く姿勢は、当初は筋の通った潔さとして評価されるが、そこに寛容さが伴わなければ、次第に周囲の人心が離れていってしまう、という指摘である。ルールを厳格に守らせる態度は最初のうちは頼もしく見えても、余裕のなさが続けば、周りは息苦しさを感じて距離を置くようになる。厳しさそのものが悪いのではなく、それに寛容さという緩みを併せ持てているかが、長く人がついてくるかを分ける。自分の厳格さに少しの余白があるか見直す価値がある。
この章句が説くこと
厳格さの代償寛容さの欠如人心の離反