人物志 / 材能
故臣以自任為能,君以用人為能;臣以能言為能,君以能聽為能;臣以能行為能,君以能賞罰為能;所能不同,故能君眾材也。
新字:故臣以自任為能,君以用人為能;臣以能言為能,君以能聴為能;臣以能行為能,君以能賞罰為能;所能不同,故能君眾材也。
書き下し
故に臣は自ら任ずるを以て能と為し、君は人を用うるを以て能と為す。臣は能く言うを以て能と為し、君は能く聴くを以て能と為す。臣は能く行うを以て能と為し、君は能く賞罰するを以て能と為す。能とする所同じからず、故に能く衆材に君たるなり。
現代語訳
臣下は自ら事を成し遂げることを能力とし、君主は人を用いることを能力とする。臣下はよく語ることを能力とし、君主はよく聴くことを能力とする。臣下はよく行動することを能力とし、君主はよく賞罰を行うことを能力とする。それぞれの能力の中身が異なるからこそ、多くの人材の上に立つことができるのである。
解説
支える側の能力と、束ねる側の能力はまったく別の中身を持つ、ということが対句で畳みかけるように語られている。自ら成し遂げる力、語る力、行動する力は現場で輝く能力であり、人を用いる力、聴く力、賞罰を下す力は束ねる立場で求められる能力である。現場で評価された基準をそのまま上の立場にも当てはめると、うまくいかないことが多いのはこのためだろう。今自分に求められているのはどちらの能力なのかを、立場が変わるたびに問い直す必要がある。
この章句が説くこと
現場力と統率力聴く力賞罰の巧拙