人物志 / 材能
夫一官之任,以一味協五味;一國之政,以無味和五味。
新字:夫一官之任,以一味協五味;一国之政,以無味和五味。
書き下し
夫れ一官の任は、一味を以て五味に協う。一国の政は、無味を以て五味を和す。
現代語訳
そもそも一つの役職の務めは、一つの持ち味をもって全体の調和に加わることである。国全体を治める政は、それ自体は無色でありながら、あらゆる持ち味を調和させることにある。
解説
一つの役職は自分の個性という持ち味を発揮して貢献すればよいが、全体を治める立場は、自分の個性を前面に出すのではなく、様々な個性を調和させる無色の存在であるべきだという喩えである。突出した個性を持つことは一つの持ち場では強みになるが、全体を束ねる場では、自分の色を薄めてでも他者の色を活かす姿勢が求められる。自分の得意技を押し出したくなる場面と、あえて色を消して周りを立てるべき場面とを、混同していないか振り返る材料になる一文である。
この章句が説くこと
個性と調和五味の喩え統括者の無色
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