人物志 / 材理
淺解之人,不能深難;聽辯說則擬鍔而愉悅,審精理則掉轉而無根。
新字:浅解之人,不能深難;聴弁説則擬鍔而愉悅,審精理則掉転而無根。
書き下し
浅解の人は、深難する能わず。弁説を聴けば則ち鍔を擬して愉悦し、精理を審らかにすれば則ち掉転して根無し。
現代語訳
理解の浅い人は、深く突き詰めた議論に耐えることができない。巧みな弁舌を聞けば、まるで刃を交えるかのように高揚して喜ぶが、いざその中身を深く検証する場面では脆さを見せる。
解説
話術の巧みさに心を動かされやすい人ほど、いざその中身を深く検証する場面では脆さを見せる、という人物観察である。歯切れのよい語り口や自信満々の口調に、つい説得力を感じてしまうのは誰にでもある傾向だが、それが内容の正しさを保証するわけではない。話の勢いに乗せられて頷いた後で、冷静になって振り返ると根拠があやふやだったという経験は少なくないだろう。心地よく響く話ほど、一度立ち止まって根拠を確かめる習慣が自分を守ることにつながる。
この章句が説くこと
弁舌への弱さ根拠の検証浅い理解
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