人物志 / 材理
夫建事立義,莫不須理而定;及其論難,鮮能定之。
書き下し
夫れ事を建て義を立つるは、理を須ちて定まらざるは莫し。其の論難に及びては、能く之を定むる者鮮し。
現代語訳
そもそも物事を成し遂げ、正しい道理を打ち立てるには、理屈によって決着をつけないものはない。しかし、いざ議論となって是非を戦わせる段になると、それを決着させられる者は少ない。
解説
物事は本来、道理に照らして決めればよいはずなのに、実際に議論となると、なかなか結論に至らないという現実が指摘されている。会議や話し合いの場で、正しさを競い合っているうちに、いつの間にか結論そのものが宙に浮いてしまう経験は誰にでもあるだろう。理屈が正しいかどうかと、議論が決着するかどうかは、必ずしも一致しない。なぜ話し合いがまとまらないのかを考えるとき、正しさの追求そのものが目的化していないか、見直す手がかりになる。
この章句が説くこと
議論の決着道理合意形成の難しさ
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