人物志 / 體別
辨博之人,論理贍給,不戒其辭之汎濫,而以楷為繫,遂其流;是故,可與汎序,難與立約。
新字:弁博之人,論理贍給,不戒其辞之汎濫,而以楷為繫,遂其流;是故,可与汎序,難与立約。
書き下し
辨博の人は、論理贍給にして、其の辭の汎濫なるを戒めず、楷を以て繫と為し、其の流を遂ぐ。是の故に、與に汎序すべきも、與に約を立つること難し。
現代語訳
弁が立ち博識な人は、議論が豊かで滞らないが、自分の言葉が広がりすぎることを戒めることができず、規範を束縛だと感じて、話をどんどん広げてしまう。そのため、大まかな話し合いを共にすることはできても、約束をきちんと結ぶことは難しい。
解説
弁が立ち議論に強い人は、話を広げる力を持つ一方、その広がりすぎゆえに約束を守ることが苦手になりやすい。人物志はこの表裏を指摘する。話が豊かに展開すること自体は魅力だが、規範や約束を窮屈だと感じて踏み越えてしまえば、信頼を損なう。自分の話しやすさや発想の広がりを大切にしながらも、約束した一線は守り抜く意識が必要である。
この章句が説くこと
弁博汎濫約束