人物志 / 體別
是故:厲直剛毅,材在矯正,失在激訐。
書き下し
是の故に、厲直剛毅なるは、材は矯正に在り、失は激訐に在り。
現代語訳
それゆえ、厳しく率直で剛毅な人は、その才は(曲がったものを)正すところにあり、欠点は激しく人の非をあばき立てるところにある。
解説
中庸から外れた偏材を十二の型に分けて、それぞれの長所と短所を対にして示す列挙の最初の一句である。厳しく率直で剛毅な人は、曲がったことを正す力を持つが、同じ性質が行き過ぎると、人の過ちを激しく暴き立てる欠点になる。劉劭は、長所と短所は別々のものではなく、一つの性質の表と裏だと見ている。これは『人物志』の人間理解の要であり、後に続く柔順・雄悍・懼慎などの型も同じ構造で書かれている。職場で正論を貫く人が周囲との摩擦を生むのは、その人の欠陥というより、長所の裏面が出ている状態だと捉えると、扱い方も変わってくる。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
厲直偏材長所矯正激訐短所
関連する章句
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人物志・體別彊楷堅勁なるは、用は楨幹に在り、失は専固に在り。論弁理繹なるは、能は釈結に在り、失は流宕に在り。
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『長短経』徳表人物志に曰く「厲直剛毅は、材は矯正に在り、失は激訐に在り。〔強毅の人は、佷剛にして和せず。其の強の搪突を戒めずして、順を以て撓と為し、其の亢を厲ます。是の故に、与に法を立つ可くして、与に微に入り難きなり。〕柔順安恕は、美は寛容に在り、失は決少なきに在り。〔柔順の人は、緩心にして寛断なり。其の事の摂まらざるを戒めずして、亢を以て劌と為し、其の舒に安んず。是の故に、与に常に循う可くして、与に疑を権り難きなり。〕雄捍桀健は、任は胆烈に在り、失は忌少なきに在り。〔雄捍の人は、気奮い英決なり。其の勇の毀跌を戒めずして、順を以て恇と為し、其の勢いを竭くす。是の故に、与に難に渉る可くして、与に屈に居り難きなり。〕
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人物志・八觀剛なる者厲しからざれば、以て其の剛を済す無し。既に其の剛を悦べば、其の厲しきを非とすべからず。厲しきは、剛の徴なり。和なる者懦ならざれば、以て其の和を保つ無し。既に其の和を悦べば、其の懦を非とすべからず。懦は、和の徴なり。介なる者拘ならざれば、以て其の介を守る無し。既に其の介を悦べば、其の拘を非とすべからず。拘は、介の徴なり。
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人物志・八觀直の失や訐、剛の失や厲、和の失や懦、介の失や拘。
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