人物志 / 自序
夫聖賢之所美,莫美乎聰明;聰明之所貴,莫貴乎知人。
書き下し
夫れ聖賢の美とする所、聰明より美なるは莫く、聰明の貴ぶ所、知人より貴きは莫し。
現代語訳
そもそも聖人・賢者が美点とするものの中で聡明さほど美しいものはなく、その聡明さが尊ぶものの中で人を知ることほど貴いものはない。
解説
人物志が説く「聰明」とは頭の回転の速さではなく、人を見抜く力そのものを指す。どれほど知識や技能に秀でていても、目の前の相手がどんな人物かを見誤れば、努力は見当違いの方向に向かいかねない。仕事を任せる相手を選ぶときも、誰の助言を信じるかを決めるときも、実は人を知る判断が土台になっている。自分の得意分野を磨く前に、まず人を見る目を養う姿勢が問われる。

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聰明知人人物評価
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人物志・自序人を知ること誠に智なれば、則ち眾材其の序を得て、庶績の業興る。
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人物志・九徵是の故に人を觀て質を察するには、必ず先ず其の平淡を察し、而る後に其の聰明を求む。
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人物志・八觀八に曰く、其の聡明を観て、以て達する所を知る。
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人物志・接識夫れ人は初め甚だ知り難きに、士は衆寡と無く、皆自ら人を知ると以為う。
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『長短経』知人夫れ聖賢の美とする所は、聡明より美なるは莫し。聡明の貴ぶ所は、人を知るより貴きは莫し。人を知り智を識れば、則ち衆材は其の序を得て、庶績の業興る。〔又た曰く、夫れ天下の人は尽く与に遊処す可からず。何を以て之を知る。故に其の一隅を観れば、則ち終朝にして以て之を識るに足る。将に其の詳を究めんとせば、必ず三日にして後に足る。何ぞ三日にして後に足ると謂う。夫れ国体の人は三材を兼ね有す。故に談ずること三日ならざれば、以て之を尽くすに足らず。一に以て道徳を論じ、二に以て法制を論じ、三に以て策術を論ず。然る後に乃ち能く其の長ずる所を竭くして、之を挙ぐるに疑わず。然らば則ち何を以て其の兼偏を知りて之と言わんや。其の人と為り、流数を以て人の長ずる所を抒べて之が名目を為すを務む。是くの如き者は兼と謂う。好みて己の善を陳べ、人の之を称するを欲して、人の有する所を知るを欲せず。是くの如き者は偏と謂う。〕
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人物志・自序人物の察や、此くの如く其れ詳らかなり。是を以て敢へて聖訓に依りて、人物を志序し、庶はくは以て遺忘を補綴せんとす。惟だ博識の君子、其の義を裁覧せよ。