人物志 / 效難
須識真在位識,百不一有也;以位勢值可薦致之士,十不一合也。或明足識真,有所妨奪,不欲貢薦;或好貢薦,而不能識真。是故,知與不知,相與分亂於總猥之中;實知者患於不得達效,不知者亦自以為未識。所謂無由得效之難也。
新字:須識真在位識,百不一有也;以位勢値可薦致之士,十不一合也。或明足識真,有所妨奪,不欲貢薦;或好貢薦,而不能識真。是故,知与不知,相与分乱於総猥之中;実知者患於不得達効,不知者亦自以為未識。所謂無由得効之難也。
書き下し
須らく真を識りて位に在りて識るべきも、百に一も有らざるなり。位勢を以て薦致すべきの士に値ふは、十に一も合はざるなり。或いは明真を識るに足れども、妨奪する所有りて、貢薦を欲せず。或いは貢薦を好めども、真を識ること能はず。是の故に、知ると知らざると、相与に総猥の中に分乱す。実に知る者は達効を得ざるに患ひ、知らざる者も亦た自ら以て未だ識らずと為す。所謂効を得るに由無きの難なり。
現代語訳
本物を見抜く力を持ち、しかも推薦できる地位にいる者でなければならないが、そういう者は百人に一人もいない。地位と勢力によって推薦して登用できる人が、推すに値する士に出会うことは、十に一つも合わない。見抜く眼力は十分にあっても、差し障りや妨げがあって推薦しようとしない者もいる。推薦を好んでも、本物を見抜くことができない者もいる。それゆえ、知る者と知らない者とが、雑多な人々の中に入り乱れている。本当に知っている者は、推薦して成果に結びつけられないことを憂え、知らない者のほうも、自分はまだ優れた人を知らないのだと思っている。これがいわゆる、知っても役立てる手立てがないという難しさである。
解説
関連する章句
-
人物志・效難然る後に乃ち能く賢否を知る。此れ又已に試みたるにして、始めて相するに非ず。質を知るも未だ以て其の略を知るに足らざる所以にして、且つ天下の人は、皆与に遊処するを得べからず。或いは志趣変易し、物に随ひて化す。或いは未だ至らずして懸かに欲し、或いは已に至りて顧みるを易へ、或いは窮約にして力め行ひ、或いは志を得て欲に従ふ。此れ又居止の失ふ所なり。是に由りて之を論ずれば、能く両つながら其の要を得るは、是れ知り難きの難なり。何をか効を得るに由無きの難と謂ふ。上材已に知る莫く、或いは識る所幼賤の中に在りて、未だ達せずして喪ひ、或いは識る所の者、未だ抜かれずして先づ没し、或いは曲高くして和寡く、唱ふれども讃へられず、或いは身卑しく力微にして、言亮とせられず、或いは器時の好みに非ずして、信貴せられず、或いは其の位に在らずして、抜くに由無く、或いは其の位に在るも、屈迫する所有るを以てす。是を以て
-
人物志・效難蓋し人を知るの効に二難有り。知り難きの難有り、之を知るも効を得るに由無きの難有り。
-
人物志・效難良材にして真を識るは、万に一つも遇わざるなり。
-
人物志・效難中情の人は、名実に副はざれども、之を用ふれば効有り。故に名は衆に由りて退けども、実は事に従ひて章かなり。此れ草創の常の失なり。故に必ず居止を待ちて、然る後に之を識る。故に
-
人物志・效難何をか知り難きの難と謂ふ。人物は精微にして、能く神にして明らかなり、其の道甚だ難し。固より知り難きの難なり。是を以て衆人の察は、尽く備ふること能はず。故に各自度を立てて、以て相観采す。或いは其の形容を相し、或いは其の動作を候ひ、或いは其の終始を揆り、或いは其の儗象を揆り、或いは其の細微を推し、或いは其の過誤を恐れ、或いは其の言ふ所に循ひ、或いは其の行事を稽ふ。
-
人物志・效難是の故に必ず草創に形を信ずるの誤り有り、又居止変化の謬り有り。故に其の接遇して人を観るや、行ひに随ひ名を信じて、其の中情を失ふ。故に
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る