人物志 / 效難
然後乃能知賢否。此又已試,非始相也。所以知質未足以知其略,且天下之人,不可得皆與遊處。或志趣變易,隨物而化:或未至而懸欲,或已至而易顧,或窮約而力行,或得志而從欲;此又居止之所失也。由是論之,能兩得其要,是難知之難。何謂無由得效之難?上材已莫知,或所識在幼賤之中,未達而喪;或所識者,未拔而先沒;或曲高和寡,唱不見讚;或身卑力微,言不見亮;或器非時好,不見信貴;或不在其位,無由得拔;或在其位,以有所屈迫。是以
新字:然後乃能知賢否。此又已試,非始相也。所以知質未足以知其略,且天下之人,不可得皆与遊処。或志趣変易,随物而化:或未至而懸欲,或已至而易顧,或窮約而力行,或得志而従欲;此又居止之所失也。由是論之,能両得其要,是難知之難。何謂無由得効之難?上材已莫知,或所識在幼賤之中,未達而喪;或所識者,未抜而先没;或曲高和寡,唱不見讃;或身卑力微,言不見亮;或器非時好,不見信貴;或不在其位,無由得抜;或在其位,以有所屈迫。是以
書き下し
然る後に乃ち能く賢否を知る。此れ又已に試みたるにして、始めて相するに非ず。質を知るも未だ以て其の略を知るに足らざる所以にして、且つ天下の人は、皆与に遊処するを得べからず。或いは志趣変易し、物に随ひて化す。或いは未だ至らずして懸かに欲し、或いは已に至りて顧みるを易へ、或いは窮約にして力め行ひ、或いは志を得て欲に従ふ。此れ又居止の失ふ所なり。是に由りて之を論ずれば、能く両つながら其の要を得るは、是れ知り難きの難なり。何をか効を得るに由無きの難と謂ふ。上材已に知る莫く、或いは識る所幼賤の中に在りて、未だ達せずして喪ひ、或いは識る所の者、未だ抜かれずして先づ没し、或いは曲高くして和寡く、唱ふれども讃へられず、或いは身卑しく力微にして、言亮とせられず、或いは器時の好みに非ずして、信貴せられず、或いは其の位に在らずして、抜くに由無く、或いは其の位に在るも、屈迫する所有るを以てす。是を以て
現代語訳
(日常の居方、栄達時の推挙、富んだ時の与え方、困窮時の行い、貧しい時の取り方を見て、)そうしてはじめて、賢いか否かを知ることができる。これはすでに試した後のことであって、初めて会って観相するのとは違う。これが、資質を知ってもまだその人の全体像を知るには足りない理由であり、しかも天下の人すべてと共に暮らし付き合うことはできない。また、志や好みが変わり、物事につれて変化する者もいる。まだ地位に至らないうちから遠く望みをかける者、地位に至ると態度を変えてしまう者、困窮しているときは努めて行う者、志を得ると欲に従ってしまう者がいる。これもまた、日常の暮らしぶりを観ても見誤るところである。ここから論じれば、この両方の要点を得ることこそが、人を知ること自体の難しさなのである。では、知っても役立てる手立てがないという難しさとは、どういうことか。優れた才はもともと知る者がいない。あるいは見出した者が幼く身分の低いうちにいて、世に出る前に亡くなってしまう。あるいは見出された者が、抜擢される前に先に死んでしまう。あるいは曲が高尚すぎて唱和する者が少なく、唱えても称賛されない。あるいは身分が低く力が弱くて、その言葉が信用されない。あるいは才の器が時の好みに合わず、信用され重んじられない。あるいはしかるべき地位にいないので、抜擢する手立てがない。あるいは地位にいても、差し障りがあって思うに任せない。それゆえ、
解説
関連する章句
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人物志・效難須らく真を識りて位に在りて識るべきも、百に一も有らざるなり。位勢を以て薦致すべきの士に値ふは、十に一も合はざるなり。或いは明真を識るに足れども、妨奪する所有りて、貢薦を欲せず。或いは貢薦を好めども、真を識ること能はず。是の故に、知ると知らざると、相与に総猥の中に分乱す。実に知る者は達効を得ざるに患ひ、知らざる者も亦た自ら以て未だ識らずと為す。所謂効を得るに由無きの難なり。
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人物志・效難蓋し人を知るの効に二難有り。知り難きの難有り、之を知るも効を得るに由無きの難有り。
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人物志・效難何をか知り難きの難と謂ふ。人物は精微にして、能く神にして明らかなり、其の道甚だ難し。固より知り難きの難なり。是を以て衆人の察は、尽く備ふること能はず。故に各自度を立てて、以て相観采す。或いは其の形容を相し、或いは其の動作を候ひ、或いは其の終始を揆り、或いは其の儗象を揆り、或いは其の細微を推し、或いは其の過誤を恐れ、或いは其の言ふ所に循ひ、或いは其の行事を稽ふ。
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人物志・效難中情の人は、名実に副はざれども、之を用ふれば効有り。故に名は衆に由りて退けども、実は事に従ひて章かなり。此れ草創の常の失なり。故に必ず居止を待ちて、然る後に之を識る。故に
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人物志・效難是の故に必ず草創に形を信ずるの誤り有り、又居止変化の謬り有り。故に其の接遇して人を観るや、行ひに随ひ名を信じて、其の中情を失ふ。故に
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人物志・接識夫れ人は初め甚だ知り難きに、士は衆寡と無く、皆自ら人を知ると以為う。
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