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人物志 / 英雄

此其大體之別名也。若校其分數,則牙則須,各以二分,取彼一分,然後乃成。何以論其然?

新字:此其大体之別名也。若校其分数,則牙則須,各以二分,取彼一分,然後乃成。何以論其然?

書き下し

此れ其の大体の別名なり。若し其の分数を校ぶれば、則ち牙(たが)ひに則ち須ち、各二分を以てし、彼の一分を取りて、然る後に乃ち成る。何を以て其の然るを論ずる。

現代語訳

これが英と雄の大まかな区別の名である。もしその配分を比べるなら、(英と雄は)互いに必要とし合い、それぞれ自分の分を二分とし、相手の分を一分取り入れて、はじめて成り立つ。どうしてそう言えるのか。

解説

聡明に秀でた者を英、胆力に優れた者を雄と呼ぶのは大まかな区別にすぎず、実際には英も雄も互いの要素を必要とする、と述べる。英は自分の分を二、雄の分を一、雄は自分の分を二、英の分を一というように、主となる要素に従となる要素が加わって初めて成り立つ。純粋な知だけ、純粋な勇だけでは人物として完成しないという考えである。この後、聡明も胆力を得なければ説が行われず、胆力も知恵を得なければ事が立たないと論証が続く。現代でも、戦略家に実行の胆力が、現場のリーダーに構想の知恵が、少しずつでも備わっていなければ、どちらも力を発揮できない。主となる強みに従となる要素を足す発想が大切である。

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