人物志 / 接識
何以論其然?
書き下し
何を以て其の然るを論ずる。
現代語訳
どうしてそう言えるのか。
解説
「同じ型の人の善は識れるが、異なる型の人の美は見落とす」という命題を立てた直後に、その根拠を問う一句である。『人物志』はこのように、命題を掲げてから「何以論其然」と自問し、具体例を並べて論証する形をよく取る。ここでは続けて、清節・法制・術謀・器能・智意・伎倆・臧否・言語の人が、それぞれ自分の物差しで人を測るため、自分と違う型の長所を認められない様子が描かれる。劉劭の論述は、直感的な人物評ではなく、論理的に一つずつ確かめる態度に支えられている。人を評価するときも、印象で結論を出す前に「なぜそう言えるのか」と自問し、根拠を具体的に挙げてみる習慣が、見誤りを減らしてくれる。
関連する章句
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人物志・接識夫れ何ぞや。是の故に、
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人物志・接識法制の人は、分数を以て度と為す、故に能く較方直の量を識りて、変化の術を貴ばず。術謀の人は、思謨を以て度と為す、故に能く策略の奇を成して、遵法の良を識らず。器能の人は、弁護を以て度と為す、故に能く方略の規を識りて、制度の原を知らず。智意の人は、原意を以て度と為す、故に能く韜諝の権を識りて、法教の常を貴ばず。伎倆の人は、邀功を以て度と為す、故に能く進趣の功を識りて、道徳の化に通ぜず。臧否の人は、伺察を以て度と為す、故に能く訶砭の明を識りて、倜儻の異に暢びず。言語の人は、弁析を以て度と為す、故に能く捷給の恵を識りて、含章の美を知らず。是を以て互ひに相非駁し、肯へて相是とする莫し。
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人物志・效難是非を説くを好めば、則ち以て臧否すと為す。
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人物志・七繆人を知る者は、目を以て耳を正し、人を知らざる者は、耳を以て目を敗る。
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人物志・八觀故に言を聴き貌を信ずれば、或いは其の真を失ひ、情を詭り反を御すれば、或いは其の賢を失ふ。賢否の察は、実に依る所に在り。是の故に、其の依る所を観て、似類の質、知るべきなり。何をか其の愛敬を観て、以て通塞を知ると謂ふ。
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人物志・材理夫れ何の故ぞや。蓋し理は品多くして人は異なればなり。
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