人物志 / 材理
夫何故哉?蓋理多品而人異也。
書き下し
夫れ何の故ぞや。蓋し理は品多くして人は異なればなり。
現代語訳
それはなぜか。思うに道理には多くの種類があり、人もそれぞれ異なっているからである。
解説
材理篇の冒頭で、物事を立てるには道理が必要なのに、いざ論じ合うと道理を定められる人が少ないのはなぜか、という問いへの答えである。劉劭は、道理そのものに多くの種類があり、しかも論じる人の性質がそれぞれ違うからだと言う。この後、道理が多様だと通じにくく、人の才が違えば情が食い違い、結果として道理を失い事を誤ると続く。議論がかみ合わない原因を、相手の頭の良し悪しではなく、扱う道理の種類と話し手の性の組み合わせに求める点が独特である。会議が空回りするとき、今どの種類の道理を論じているのか、誰がどの性で話しているのかを確かめる視点を与えてくれる。
関連する章句
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人物志・材理夫れ理多品なれば則ち通じ難く、人材異なれば則ち情詭なり。情詭にして通じ難ければ、則ち理失われて事違う。
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人物志・材理夫れ事を建て義を立つるは、理を須ちて定まらざるは莫し。其の論難に及びては、能く之を定むる者鮮し。
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人物志・材理故に善く論を接する者は、長ずる所を度りて之を論じ、之を歴て動かざれば則ち説かず、傍らに聴達無ければ則ち難ぜず。善く論を接せざる者は、之に説くに雑・反を以てす。之に説くに雑・反を以てすれば、則ち入らず。
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人物志・材理夫れ理に四部有り、明に四家有り、情に九偏有り、流に七似有り、説に三失有り、難に六構有り、通に八能有り。若し夫れ天地の気化、盈気損益は、道の理なり。法制もて事を正すは、事の理なり。礼教の宜適は、義の理なり。人情の枢機は、情の理なり。四理同じからず、其の才に於けるや、明を須ちて章らかに、明は質を待ちて行はる。是の故に、質は理と合し、合して明有り、明足りて理を見、理足りて家を成す。是の故に、質性平淡にして、思心玄微、能く自然に通ずるは、道理の家なり。質性警徹にして、権略機捷、能く煩速を理むるは、事理の家なり。質性和平にして、能く礼教を論じ、其の得失を弁ずるは、義礼の家なり。質性機解にして、情を推し意を原ね、能く其の変に適ふは、情理の家なり。四家の明既に異にして、九偏の情有り。性を以て明を犯し、各得失有り。
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人物志・材理辞勝つ者は、正理を破りて以て異を求む。異を求むれば則ち正失わる。
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人物志・材理夫れ九偏の材は、同有り、反有り、雑有り。同なれば則ち相解し、反なれば則ち相非とし、雑なれば則ち相恢す。
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