人物志 / 利害
其為業也,有敝而不常用,故功大而不終。術家之業,出於聰思,待於謀得而章。其道先微而後著,精而且玄。
書き下し
其の業為るや、敝有りて常には用ゐられず、故に功大なれども終へず。術家の業は、聡思に出で、謀の得らるるを待ちて章らかなり。其の道は先に微にして後に著れ、精にして且つ玄なり。
現代語訳
(法家の)業というものは、弊害があって常に用いられるわけではないので、功績は大きくても最後まで全うしない。術家の業は、聡明な思慮から出て、謀略が当たるのを待ってはじめて明らかになる。その道は初めはかすかで後に顕著となり、精妙でしかも奥深い。
解説
前半は法家の業の結論で、法家には弊害があるため常には用いられず、功績は大きくても終わりを全うしない、と述べる。商鞅や呉起のように、改革を成し遂げながら非業の最期を遂げた法家の運命を思わせる一文である。後半から術家の業に移り、術家は聡明な思慮から出て、謀が当たって初めて世に明らかになり、その道は初めは微かで後に顕著になる、精妙で奥深いものだと言う。法家が初めから反発を受けるのに対し、術家は初めは目に見えないという違いがある。現代でも、戦略担当者の働きは、結果が出るまで周囲には何をしているか見えにくい。その評価の難しさを踏まえて人を用いる必要がある。
関連する章句
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人物志・利害其の功は以て籌を運らし変に通ずるに足る。其の退くや、隠微に蔵る。其の業為るや、奇にして用ゐらるること希なり、故に或いは沈微して章らかならず。智意の業は、度原に本づき、其の道は順にして忤はず。故に其の未だ達せざるや、衆人の容るる所と為り、已に達するや、寵愛の嘉する所と為る。其の功は以て計慮を讃明するに足る。
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人物志・利害法家の業は、制度に本づき、成功を待ちて効あり。其の道は口を前にして治を後にし、厳にして衆の為にす。故に其の未だ達せざるや、衆人の忌む所と為り、已に試みらるるや、上下の憚る所と為る。
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人物志・利害其の業為るや、諝にして持し難し。故に或いは先に利ありて後に害あり。
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人物志・利害其の功は以て是非を変察するに足る。其の蔽たるや、詆訶の怨とする所と為る。
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人物志・利害其の業為るや、細にして泰ならず、故に治の末為り。
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人物志・利害其の功は以て法を立て治を成すに足る。其の弊たるや、群枉の讎とする所と為る。
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