葉隠 / 聞書第十一
名將の御一言、裏を仰せらるゝ事もこれ有るものなり。うかと承るまじき事なり。
新字:名将の御一言、裏を仰せらるゝ事もこれ有るものなり。うかと承るまじき事なり。
書き下し
名将の御一言、裏を仰せらるる事もこれ有るものなり。うかと承るまじき事なり。
現代語訳
名将の一言には、裏の意味が込められていることもあるから、うっかりそのまま受け取ってはならないということ。名将のお言葉には、本音とは裏の意を仰せられることもあるものだ。うかつに額面どおり受け取ってはならないのである。
解説
すぐれた将の言葉には、表面とは逆の意図が込められていることがあるから、うっかり額面どおりに受け取ってはならない、と戒める一条です。名将ほど、あえて本心を隠したり、相手を試したり、真意を裏に忍ばせて語ることがある。それを言葉の表面だけで判断すれば、意図を取り違えてしまいます。上に立つ者の言葉は、その背後にある狙いまで含めて汲み取れという、仕える者の心得を説いた教訓です。これは現代でも、上司や指導者の言葉を字義どおりに受け取るのではなく、文脈や真意まで読み解く姿勢の大切さに通じます。言葉を深く聞く力を養えという示唆といえます。
この章句が説くこと
葉隠名将言葉の裏真意傾聴主従の心得
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