葉隠 / 聞書第一
書物を讀むには腹にて讀みたるがよし。口にて讀めば聲が續かずと、式部に指南なり。
新字:書物を読むには腹にて読みたるがよし。口にて読めば声が続かずと、式部に指南なり。
書き下し
書物を読むには腹にて読みたるがよし。口にて読めば声が続かずと、式部に指南なり。
現代語訳
書物を読むときは、腹で読むのがよい。口で(声に出して)読むと声が続かない、と式部という人に教えたという。
解説
書物は腹で読むのがよい、声に出して読むと声が続かない、と式部という人に教えたという短い一条です。「腹で読む」とは、単に音読の技術というより、うわべの声ではなく体の深いところ、腹の底で受け止めて読むことを指すと考えられます。葉隠には、事に臨むとき胸や腹が据わっていることを重んじる発想が一貫しており、読書もまた同じ構えで向かうべきだという含みが読み取れます。現代でも、情報を目で流し読むのと、腰を据えて自分のものとして読むのとでは定着が違います。長続きし、身につく学びとは何かを、呼吸の比喩で示した一節と言えるでしょう。
この章句が説くこと
読書腹で読む丹田学びの姿勢定着腰を据える