群書治要 / 『群書治要』後漢書・上官におもねる勧めを断る
帝親見戒之曰:善事上官、無失名譽。延對曰:臣聞忠臣不私、私臣不忠、履正奉公、臣子之節、上下雷同、非陛下之福也。善事上官、臣不敢奉詔。帝嘆息曰:卿言是也。
新字:帝親見戒之曰:善事上官、無失名誉。延対曰:臣聞忠臣不私、私臣不忠、履正奉公、臣子之節、上下雷同、非陛下之福也。善事上官、臣不敢奉詔。帝嘆息曰:卿言是也。
書き下し
帝親しく見て之を戒めて曰く、上官に善く事え、名誉を失う無かれ。延対えて曰く、臣聞く、忠臣は私せず、私臣は忠ならず、正を履み公を奉ずるは、臣子の節なり。上下雷同するは、陛下の福に非ざるなり。上官に善く事えよとは、臣敢えて詔を奉ぜず。帝嘆息して曰く、卿の言是なり。
現代語訳
光武帝は任延に直接会って戒めました。「上役にうまく仕えて、評判を落とさないようにせよ。」任延は答えました。「私が聞きますに、忠臣は私情で動かず、私情で動く臣は忠臣ではありません。正しい道を踏み、公のために仕えるのが臣下の節度です。上も下もみな調子を合わせて同じになるのは、陛下にとって幸いなことではありません。上役にうまく仕えよという仰せには、お受けできません。」帝はため息をついて言いました。「あなたの言うとおりだ。」
解説
任延は光武帝のもとで、辺境の太守として民に農具の使い方や礼の習慣を教えた人物として知られます。武威の太守に任じられて挨拶に出たときのやり取りが、この一節です。皇帝の忠告をそのまま断る大胆さが目を引きますが、理由は筋が通っています。上役に合わせることが習いになれば、上に都合の悪い事実は誰も伝えなくなります。調子を合わせる部下ばかりの組織は、一見なごやかでも、判断の誤りに気づく力を失います。上の立場にいる側の人も、この返答を受け止めた光武帝の度量から学べます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
上官雷同忠臣私公任延
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群書治要・『群書治要』後漢書・急ぎの成果は壊れやすい夫れ物の暴かに長ずる者は必ず夭折し、功の卒かに成る者は必ず亟かに壊る。如し長久の業を摧きて、速成の功を造らば、陛下の福に非ざるなり。天下は一時の用に非ざるなり。海内は一旦の功に非ざるなり。願わくは陛下、意を経年の外に游ばせ、化を一世の後に望みたまえ。天下幸甚なり。
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