五行大義 / 第二十三論諸人・第一論人配五行
第二十三論諸人就此分爲二段:一者論人配五行、二者論人遊年年立。 禮記。禮運篇云。人者。天地之德。陰陽之交。鬼神之會。五行之秀氣也。文子曰。人者。天地之心。五行之端。是以稟天地五行之氣而生。爲萬物之主。配二儀以爲三才。然受氣者各有多少。受木氣多者。其性勁直而懷仁。受火氣多者。其性猛烈而尚禮。受土氣多者。其性寬和而有信。受金氣多者。其性剛斷而含義。受水氣多者。其性沈隱而多智。五氣湊合。共成其身。氣若清叡。則其人精俊爽如也。昏濁。則其人愚頑。老子云。陰陽精氣爲人。氣有厚薄。得中和滋液。則生賢智人。得錯亂濁辱。則生貪淫人。祿命書云。金人剛強自用。木人多華而雅。水人開通智慧。火人自貴性急。土人忠信而直。周書云。人感十而生。天五行。地五行。合爲十也。天五行爲五常。地五行爲五藏。故易曰。在天成象。在地成形者也。家語曰。天一。地二。人三。三三而九。九九八十一。一主日。日數十。故人十月而生。文子云。
新字:第二十三論諸人就此分為二段:一者論人配五行、二者論人遊年年立。 礼記。礼運篇云。人者。天地之徳。陰陽之交。鬼神之会。五行之秀気也。文子曰。人者。天地之心。五行之端。是以稟天地五行之気而生。為万物之主。配二儀以為三才。然受気者各有多少。受木気多者。其性勁直而懐仁。受火気多者。其性猛烈而尚礼。受土気多者。其性寛和而有信。受金気多者。其性剛断而含義。受水気多者。其性沈隠而多智。五気湊合。共成其身。気若清叡。則其人精俊爽如也。昏濁。則其人愚頑。老子云。陰陽精気為人。気有厚薄。得中和滋液。則生賢智人。得錯乱濁辱。則生貪淫人。禄命書云。金人剛強自用。木人多華而雅。水人開通智慧。火人自貴性急。土人忠信而直。周書云。人感十而生。天五行。地五行。合為十也。天五行為五常。地五行為五蔵。故易曰。在天成象。在地成形者也。家語曰。天一。地二。人三。三三而九。九九八十一。一主日。日数十。故人十月而生。文子云。
書き下し
第二十三、諸人を論ず。此に就きて分かちて二段と為す。一は人の五行に配するを論じ、二は人の遊年年立を論ず。 礼記礼運篇に云う、人は天地の徳、陰陽の交わり、鬼神の会、五行の秀気なり、と。文子に曰く、人は天地の心、五行の端なり、と。是を以て天地五行の気を稟けて生じ、万物の主と為り、二儀に配して以て三才と為る。然れども気を受くるに各々多少有り。木気を受くること多き者は、その性勁直にして仁を懐く。火気を受くること多き者は、その性猛烈にして礼を尚ぶ。土気を受くること多き者は、その性寛和にして信有り。金気を受くること多き者は、その性剛断にして義を含む。水気を受くること多き者は、その性沈隠にして智多し。五気湊合(そうごう)して、共にその身を成す。気若し清叡なれば、則ちその人は精俊にして爽如たり。昏濁なれば、則ちその人は愚頑なり。老子に云う、陰陽の精気は人と為る。気に厚薄有り。中和の滋液を得れば、則ち賢智の人を生じ、錯乱濁辱を得れば、則ち貪淫の人を生ず、と。禄命書に云う、金人は剛強にして自ら用い、木人は華多くして雅なり、水人は開通にして智慧あり、火人は自ら貴びて性急なり、土人は忠信にして直なり、と。周書に云う、人は十に感じて生ず。天の五行、地の五行、合わせて十と為す。天の五行は五常と為り、地の五行は五蔵と為る、と。故に易に曰く、天に在りては象を成し、地に在りては形を成す者なり、と。家語に曰く、天は一、地は二、人は三。三三にして九、九九八十一。一は日を主り、日の数は十、故に人は十月にして生まる、と。文子に云う、
現代語訳
第二十三段、諸人を論ずる。ここでは二つに分ける。一つは人を五行に配することを論じ、二つめは人の遊年と年立(年ごとにめぐる運の位置)を論じる。 『礼記』礼運篇にいう。人は天地の徳であり、陰陽の交わりであり、鬼神の出会うところであり、五行の優れた気である、と。『文子』にいう。人は天地の心であり、五行の端(はじめ)である、と。こうして人は天地と五行の気を受けて生まれ、万物の主となり、天と地の二儀に並んで三才となる。しかし気を受けるには、それぞれ多い少ないがある。木の気を多く受けた者は、その性質が強くまっすぐで仁を抱く。火の気を多く受けた者は、その性質が猛烈で礼を尊ぶ。土の気を多く受けた者は、その性質がおおらかで和やかで信がある。金の気を多く受けた者は、その性質が剛くて決断に富み義を含む。水の気を多く受けた者は、その性質が沈んで奥深く、知恵が多い。五つの気が寄り集まって、ともにその身を形づくる。気がもし清らかで明らかであれば、その人は優れて聡く、さわやかである。暗く濁っていれば、その人は愚かでかたくなである。『老子』(に託された説)にいう。陰陽の精気が人となる。気には厚い薄いがある。ほどよく調和した潤いの気を得れば賢く知恵のある人が生まれ、乱れて濁った気を得れば貪欲でみだらな人が生まれる、と。『禄命書』(生まれによる運命を説く書)にいう。金の人は剛く強く自分の考えで事を行い、木の人は華やかさが多くて雅やかであり、水の人は物事に通じて知恵があり、火の人は自らを尊んで気が短く、土の人は忠実で信があってまっすぐである、と。『周書』にいう。人は十に感じて生まれる。天の五行と地の五行、合わせて十となる。天の五行は五常(仁・義・礼・智・信)となり、地の五行は五臓となる、と。だから『易』に「天にあっては象を成し、地にあっては形を成す」というのである。『孔子家語』にいう。天は一、地は二、人は三である。三の三倍で九、九の九倍で八十一。一は日を主り、日の数は十であるから、人は十か月で生まれる、と。『文子』にいう。
解説
この章句が説くこと
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行王気の中に生まるる者は、その人王相にして、爵禄に宜し。相気の中に生まるる者は、その人官多し。死気の中に生まるる者は、その人疾病多く短命なり、と。此れ並びにその生月の、五行の気の盛衰に当たる時を論ずるなり。況やその気を稟受する者は、その人の形質・情性・骨肉・蔵府、皆五行に象る。『相書』に云う、木人は細長にして身直し。火人は頭小さく、下豊かにして短小なり。土人は面員(まる)く腹大なり。金人は面方にして口兌(とが)る。水人は面薄く、身偏りて蛇行す。木人は青色真なり、白有るは是れ害気なり。火人は赤色真なり、黒有るは是れ害気なり。土人は黄色真なり、青有るは是れ害気なり。金人は白色真なり、赤有るは是れ害気なり。水人は黒色真なり、黄有るは是れ害気なり、と。日に配すれば、則ち甲乙(こうおつ)を皮毛と為し、丙丁(へいてい)を爪筋と為し、戊己(ぼき)を肉と為し、庚辛(こうしん)を骨と為し、壬癸(じんき)を血脈と為す。卦に配すれば、則ち乾を頭と為し、離を目と為し、坎を耳と為し、兌を口と為し、坤を腹と為し、巽を手と為し、艮を股膝と為し、震を足と為す。その蔵府・性情は、各おの別に解有り。然れども人は天地の内に居り、山川の中に在りて、各おの方位に随いて、形性等しからず。所以に東夷の人は、その形細長にして、修眉長目、衣冠も亦た狭長を尚ぶ。東海句麗(こうり)の人は、その冠高く狭く、加うるに鳥羽を以てし、木の枝に象る。長目なる者は、目は肝を主り、肝は木なり、故に細くして長し。皆木に象るなり。南蛮の人は、短小軽壑にして、高口少髪、衣冠も亦た短軽を尚ぶ。高口なる者は、口・人中は心を主り、心は火なり。
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行人は天地の変化を受けて生ず。一月にして膏(こう)し、二月にして脈し、三月にして胞(ほう)し、四月にして肌し、五月にして筋し、六月にして骨し、七月にして形を成し、八月にして動き、九月にして躁(さわ)ぎ、十月にして生まる。形骸已(すで)に成りて、五蔵乃ち形(あら)わる。外を表と為し、中を裏と為す。頭の員(まる)きは天に法(のっと)り、足の方なるは地に象る。天に四時・五行・九星・三百六十日有り、人も亦た四支・五蔵・九竅(きゅうきょう)・三百六十節有り。天に風雨寒暑有り、人も亦た喜怒哀楽有り。『淮南子』及び『文子』並びに云う、胆を雲と為し、肺を気と為し、脾を風と為し、腎を雨と為し、肝を電と為し、天と相類して、心を主と為す。耳目は日月なり、気血は風雨なり、と。『素問』に云う、夫れ人は天地に法る。故に聖人は上は天に配して以て頭を養い、下は地に象りて以て足を養い、中は人事に傍(よ)りて以て五蔵を養う。天気は肺に通じ、地気は咽(いん)に通じ、風気は肝に通じ、雷気は心に通じ、穀気は脾に通じ、雨気は腎に通ず。六経を川と為し、腸胃を海と為し、九竅を水と為す。天の紀に法り、地の理を用うれば、則ち災禍去る、と。『左慈相決』に云う、人の頭の員きは以て天に法り、足の方なるは以て地に象る。左目を日と為し、右目を月と為し、左眉を青竜と為し、右眉を白虎と為し、鼻を勾陣(こうちん)と為し、伏犀(ふくさい)を朱雀と為し、玉枕(ぎょくちん)を玄武と為す、と。又た云う、前を朱雀と為し、後を玄武と為し、左を青竜と為し、右を白虎と為す、是を四体と曰う。頭を勾陳と為す、是れ身の主なり、と。又た曰く、左耳の後を太山と為し、右耳の後を華山と為し、額を衡山と為し、頂の後を恒山と為し、鼻を嵩高山(すうこうざん)と為す、と。『相秘訣』に云う、
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行王気はその盛んなる時に当たる、故に最も霊聖なり。相気は王に微(すこ)しく劣る、故に善・忠より已下(いか)は王政に伏す。休気は已に衰う、故に仕・庶の例に当たる。囚気は最も劣る、故に衆・小の流に当たる。文子の上を以て下に返し、人を喩えて畜に比するも、亦た之に近し。然れども此の五気は、清有り濁有り、正有り邪有り、初有り末有り。若し正気を得れば、卑劣に在りと雖も、方(まさ)に大善と為る。若し卑気を受くれば、尊勝に居ると雖も、衆(おお)く大悪を興す。桀の夏宗を覆し、紂の殷族を亡ぼし、周の幽・厲に衰え、漢の桓・霊に滅ぶが如きに至りては、此れ則ち尊に処りて悪を興す者なり。鼎を殷廟に負い、釣を磻渓(はんけい)に垂れ、南陽に商賈し、車下に牛を飼う。此の時に当たりては、その善未だ見(あら)われず。師輔に登るに及びて、仁聖並び彰(あら)わる。此れ豈に卑下にして能く宏済(こうさい)するに非ずや。その賢徳已上は、気正しくして邪無し、故に最上に居る。然れども気の初なるは、齢歯終に長く、気の末なるは、命相短促なり。此の四気に又た四別有り。若し上にして清秀なれば、霊智愈いよ高し。上にして濁汚なれば、乃ち須らく修飭(しゅうちょく)すべし。下にして清秀なれば、琢磨して方に以て器と為る。之に昏濁を加うれば、朽木は復た雕るべからず。貴賤・富貧・好醜・善悪・性情・年命を兼ぬれば、乃ち万途有り、並びに五行の気の感ずる所の致すなり。今且く文子に就きてその二十五等を論じ、以て階差と為す。自外(これよりほか)の諸徒は、具さに弁じ難し。人を知るは則ち哲なり、惟(こ)れ帝も其れ之を難しとす。明聖なる者に非ざれば、孰(たれ)か能く弁識せん。『禄命決』に云う、
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行額を衡山と為し、頭を恒山と為し、鼻を嵩高山と為し、眉を岱山(たいざん)と為し、権(けん)を崑崙山と為す。二儀は天地に象り、三亭は三才に法り、四瀆(しとく)は四時を主り、五官は五行に応じ、六府は六律に従い、七門は七星に配し、八節は八風に取り、九候は九州に比し、十指は十日に応じ、十二徳は十二月に象り、二十八節は二十八宿に応ず、と。『家語』に云う、人生まれて三月にして微昫(びく)す、然る後に目能く見る。八月にして歯を生ず、然る後に能く食う。朞(き)にして臏(ひん)す、然る後に能く行く。三年にして顖(しん)合う、然る後に能く言う。陰窮まれば陽に反る、故に陰は陽を以て変ず。陽窮まれば陰に反る、故に陽は陰を以て化す。是を以て男子は八月にして歯を生じ、八歳にして齔(しん)し、十六にして精通じ、然る後に能く化す。女子は七月にして歯を生じ、七歳にして齔し、十四にして化す、と。『礼』に、男子は二十にして冠し、成人の父たるの端有り。女子は十五にして笄(けい)して嫁ぐを許し、成人の母たるの道有り、と。此れ皆天地五行の大数に従うなり。『文子』に曰く、昔者(むかし)中黄子云う、天に五行有り、地に五岳有り、声に五音有り、物に五味有り、色に五章有り、人に五位有り。故に天地の間、二十有五人あり。上五に神人・真人・道人・至人・聖人有り。次五に徳人・賢人・善人・中人・辨人有り。中五に仁人・礼人・信人・義人・智人有り。次五に仕人・庶人・農人・商人・工人有り。下五に衆人・小人・駑人(どじん)・愚人・完人有り。上五の下五に与(お)けるは、猶お人の牛馬に与けるがごとし、と。
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行『家語』に云う、孔子曰く、堅土の人は剛、弱土の人は柔、墟土の人は大、沙土の人は細、息土の人は美、耗土の人は醜なり。南方に不死の草有り、北方に不釈の氷有り、東方に君子の国有り、西方に刑残の尸(し)有り、中土に聖人多し。皆その気に象るなり、と。故に曰く、山気は男多く、沢気は女多く、水気は瘖(いん)多く、風気は聾(ろう)多く、休気は癃(りゅう)多く、木気は傴(う)多く、岸下の湿気は腫多く、正気は力多く、険阻の気は癭(えい)多く、寒気は寿多く、熱気は夭多く、谷気は痺(ひ)多く、丘気は狂多く、衍気は仁多く、陵気は貪多し。軽土は利起多く、重土は遅鈍多し。急水の人は軽く、遅水の人は重し。此れ並びに陰陽五行の気に随う、故に善悪斯(ここ)に別る。
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五行大義・第三明数・第二論五行及生成数行を五と言うは、万物多しと雖も、数五を過ぎざるを明らかにす。故に天に在りては五星と為り、其の神は五帝と為る。孔子曰く、「昔、丘諸(これ)を老聃に聞く。云う、天に五行有り、木・金・水・火・土。其の神之を五帝と謂う」と。地に在りては五方と為り、其の鎮は五岳と為る。物理論に云う、「之を鎮むるに五岳を以てす」と。人に在りては五蔵と為り、其の候は五官なり。黄帝素問に云う、「五蔵の候は五官に在り。眼・耳・口・鼻・舌なり」と。五行は逓(たが)いに相負載し、休王相生して、万物を生成し、運用休まず、故に行と云うなり。春秋繁露に云う、「天地の気、列して五行と為る。夫れ五行は行なり」と。易の上繋に曰く、「天数は五」と。王曰く、「一・三・五・七・九を謂うなり」と。韓曰く、「五は奇なり」と。「地数は五」と。王曰く、「二・四・六・八・十を謂うなり」と。韓曰く、「五は偶なり」と。「五位相得て」と。王曰く、「五位は、金・木・水・火・土なり」と。「而して各おの合う有り」と。王曰く、「水を謂う。天に在りては一と為り、地に在りては六と為り、六と一と北に合う。火は、天に在りては七と為り、地に在りては二と為り、二と七と南に合う。金は、天に在りては九と為り、地に在りては四と為り、四と九と西に合う。木は、天に在りては三と為り、地に在りては八と為り、三と八と東に合う。土は、天に在りては五と為り、地に在りては十と為り、五と十と中に合う。故に曰く、五位相得て、各おの合う有り」と。謝曰く、「陰陽相応じ、奇偶相配し、各おの合う有るなり」と。韓曰く、「天地の数、各おの五有り。五数相配して、以て金・木・水・火・土を合成するなり」と。
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