五行大義 / 第二十三論諸人・第一論人配五行
人受天地變化而生。一月而膏。二月而脈。三月而胞。四月而肌。五月而筋。六月而骨。七月而成形。八月而動。九月而躁。十月而生。形骸已成。五藏乃形。外爲表。中爲裏。頭員法天。足方象地。天有四時。五行。九星。三百六十日。人亦有四支。五藏。九竅。三百六十節。天有風雨寒暑。人亦有喜怒哀樂。淮南子及文子。竝云。膽爲雲。肺爲氣。脾爲風。腎爲雨。肝爲電。與天相類。而心爲主。耳目者。日月也。氣血者。風雨也。素問云。夫人法天地。故聖人上配天以養頭。下象地以養足。中傍人事。以養五藏。天氣通於肺。地氣通於咽。風氣通於肝。雷氣通於心。穀氣通於脾。雨氣通於腎。六經爲川。腸胃爲海。九竅爲水。法天之紀。用地之理。則災禍去矣。左慈相決云。人頭員以法天。足方以象地。左目爲日。右目爲月。左眉爲青龍。右眉爲白虎。鼻爲勾陣。伏犀爲朱雀。玉枕爲玄武。又云。前爲朱雀。後爲玄武。左爲青龍。右爲白虎。是曰四體。頭爲勾陳。是身之主。又曰。左耳後爲太山。右耳後爲華山。額爲衡山。頂後爲恒山。鼻爲嵩高山。相祕訣云。
新字:人受天地変化而生。一月而膏。二月而脈。三月而胞。四月而肌。五月而筋。六月而骨。七月而成形。八月而動。九月而躁。十月而生。形骸已成。五蔵乃形。外為表。中為裏。頭員法天。足方象地。天有四時。五行。九星。三百六十日。人亦有四支。五蔵。九竅。三百六十節。天有風雨寒暑。人亦有喜怒哀楽。淮南子及文子。並云。胆為雲。肺為気。脾為風。腎為雨。肝為電。与天相類。而心為主。耳目者。日月也。気血者。風雨也。素問云。夫人法天地。故聖人上配天以養頭。下象地以養足。中傍人事。以養五蔵。天気通於肺。地気通於咽。風気通於肝。雷気通於心。穀気通於脾。雨気通於腎。六経為川。腸胃為海。九竅為水。法天之紀。用地之理。則災禍去矣。左慈相決云。人頭員以法天。足方以象地。左目為日。右目為月。左眉為青竜。右眉為白虎。鼻為勾陣。伏犀為朱雀。玉枕為玄武。又云。前為朱雀。後為玄武。左為青竜。右為白虎。是曰四体。頭為勾陳。是身之主。又曰。左耳後為太山。右耳後為華山。額為衡山。頂後為恒山。鼻為嵩高山。相秘訣云。
書き下し
人は天地の変化を受けて生ず。一月にして膏(こう)し、二月にして脈し、三月にして胞(ほう)し、四月にして肌し、五月にして筋し、六月にして骨し、七月にして形を成し、八月にして動き、九月にして躁(さわ)ぎ、十月にして生まる。形骸已(すで)に成りて、五蔵乃ち形(あら)わる。外を表と為し、中を裏と為す。頭の員(まる)きは天に法(のっと)り、足の方なるは地に象る。天に四時・五行・九星・三百六十日有り、人も亦た四支・五蔵・九竅(きゅうきょう)・三百六十節有り。天に風雨寒暑有り、人も亦た喜怒哀楽有り。『淮南子』及び『文子』並びに云う、胆を雲と為し、肺を気と為し、脾を風と為し、腎を雨と為し、肝を電と為し、天と相類して、心を主と為す。耳目は日月なり、気血は風雨なり、と。『素問』に云う、夫れ人は天地に法る。故に聖人は上は天に配して以て頭を養い、下は地に象りて以て足を養い、中は人事に傍(よ)りて以て五蔵を養う。天気は肺に通じ、地気は咽(いん)に通じ、風気は肝に通じ、雷気は心に通じ、穀気は脾に通じ、雨気は腎に通ず。六経を川と為し、腸胃を海と為し、九竅を水と為す。天の紀に法り、地の理を用うれば、則ち災禍去る、と。『左慈相決』に云う、人の頭の員きは以て天に法り、足の方なるは以て地に象る。左目を日と為し、右目を月と為し、左眉を青竜と為し、右眉を白虎と為し、鼻を勾陣(こうちん)と為し、伏犀(ふくさい)を朱雀と為し、玉枕(ぎょくちん)を玄武と為す、と。又た云う、前を朱雀と為し、後を玄武と為し、左を青竜と為し、右を白虎と為す、是を四体と曰う。頭を勾陳と為す、是れ身の主なり、と。又た曰く、左耳の後を太山と為し、右耳の後を華山と為し、額を衡山と為し、頂の後を恒山と為し、鼻を嵩高山(すうこうざん)と為す、と。『相秘訣』に云う、
現代語訳
人は天地の変化を受けて生まれる。受胎して一か月で脂のようなものができ、二か月で脈ができ、三か月で胞(胎を包む膜)ができ、四か月で肌ができ、五か月で筋ができ、六か月で骨ができ、七か月で形が整い、八か月で動き出し、九か月でさかんに動き、十か月で生まれる。からだの形ができあがると、五臓(肝・心・脾・肺・腎)もそこで形をとる。外側を表とし、内側を裏とする。頭が丸いのは天にのっとり、足が四角いのは地にかたどっている。天には四季・五行・九星・三百六十日があり、人にもまた四肢・五臓・九竅(目・耳・鼻の七つの穴と、前後の二つの陰部)・三百六十の関節がある。天に風・雨・寒さ・暑さがあるように、人にも喜び・怒り・哀しみ・楽しみがある。『淮南子』と『文子』はともにこう言う。胆は雲、肺は気、脾は風、腎は雨、肝は稲妻であって、天と互いに似かよい、その中で心が主となる。耳と目は日と月であり、気と血は風と雨である、と。『素問』(医学の古典『黄帝内経素問』)はこう言う。そもそも人は天地にのっとっている。だから聖人は、上は天に合わせて頭を養い、下は地にかたどって足を養い、中ほどは人の営みに寄りそって五臓を養う。天の気は肺に通じ、地の気は喉に通じ、風の気は肝に通じ、雷の気は心に通じ、穀物の気は脾に通じ、雨の気は腎に通じる。六つの経脈は川であり、腸と胃は海であり、九竅は水の出入り口である。天の筋道にのっとり、地の理を用いれば、災いは去る、と。『左慈相決』(方士左慈の名を冠した人相の書)はこう言う。人の頭が丸いのは天にのっとり、足が四角いのは地にかたどる。左目は日、右目は月、左眉は青竜、右眉は白虎、鼻は勾陣(中央の神)、伏犀(額から頭頂へ伸びる骨)は朱雀、玉枕(後頭部の骨)は玄武である、と。またこうも言う。前は朱雀、後ろは玄武、左は青竜、右は白虎で、これを四体という。頭は勾陳で、これが身体の主である、と。さらに言う。左耳の後ろは泰山、右耳の後ろは華山、額は衡山、頭頂の後ろは恒山、鼻は嵩山(嵩高山)である、と。『相秘訣』(人相の秘伝書)はこう言う、
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』精神訓夫れ精神なる者は、天に受くる所なり。而して形體なる者は、地に稟くる所なり。故に曰く、一は二を生じ、二は三を生じ、三は萬物を生ず、と。萬物は陰を背にして陽を抱き、沖氣以て和を為す。故に曰く、一月にして膏、二月にして胅、三月にして胎、四月にして肌、五月にして筋、六月にして骨、七月にして成り、八月にして動き、九月にして躁ぎ、十月にして生まる、と。形體以て成りて、五臟乃ち形る。是の故に肺は目を主り、腎は鼻を主り、膽は口を主り、肝は耳を主る。外を表と為し內を裡と為し、開閉張歙、各々經紀有り。故に頭の圓きは天に象り、足の方なるは地に象る。天に四時・五行・九解・三百六十六日有り、人も亦た四支・五藏・九竅・三百六十六節有り。天に風雨寒暑有り、人も亦た取與喜怒有り。故に膽を雲と為し、肺を氣と為し、肝を風と為し、腎を雨と為し、脾を雷と為し、以て天地と相い參わる。而して心 之が主と為る。是の故に耳目なる者は、日月なり。血氣なる者は、風雨なり。日中に踆烏有りて、月中に蟾蜍有り。日月 其の行を失えば、薄蝕して光無し。風雨 其の時に非ざれば、毀折して災を生ず。五星 其の行を失えば、州國 殃を受く。夫れ天地の道は、至って紘くして以て大なるも、尚お猶お其の章光を節し、其の神明を愛しむ。人の耳目、曷ぞ能く久しく熏勞して息わざらんや。精神 何ぞ能く久しく馳騁して既きざらんや。是の故に血氣なる者は、人の華なり。而して五藏なる者は、人の精なり。
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行額を衡山と為し、頭を恒山と為し、鼻を嵩高山と為し、眉を岱山(たいざん)と為し、権(けん)を崑崙山と為す。二儀は天地に象り、三亭は三才に法り、四瀆(しとく)は四時を主り、五官は五行に応じ、六府は六律に従い、七門は七星に配し、八節は八風に取り、九候は九州に比し、十指は十日に応じ、十二徳は十二月に象り、二十八節は二十八宿に応ず、と。『家語』に云う、人生まれて三月にして微昫(びく)す、然る後に目能く見る。八月にして歯を生ず、然る後に能く食う。朞(き)にして臏(ひん)す、然る後に能く行く。三年にして顖(しん)合う、然る後に能く言う。陰窮まれば陽に反る、故に陰は陽を以て変ず。陽窮まれば陰に反る、故に陽は陰を以て化す。是を以て男子は八月にして歯を生じ、八歳にして齔(しん)し、十六にして精通じ、然る後に能く化す。女子は七月にして歯を生じ、七歳にして齔し、十四にして化す、と。『礼』に、男子は二十にして冠し、成人の父たるの端有り。女子は十五にして笄(けい)して嫁ぐを許し、成人の母たるの道有り、と。此れ皆天地五行の大数に従うなり。『文子』に曰く、昔者(むかし)中黄子云う、天に五行有り、地に五岳有り、声に五音有り、物に五味有り、色に五章有り、人に五位有り。故に天地の間、二十有五人あり。上五に神人・真人・道人・至人・聖人有り。次五に徳人・賢人・善人・中人・辨人有り。中五に仁人・礼人・信人・義人・智人有り。次五に仕人・庶人・農人・商人・工人有り。下五に衆人・小人・駑人(どじん)・愚人・完人有り。上五の下五に与(お)けるは、猶お人の牛馬に与けるがごとし、と。
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行第二十三、諸人を論ず。此に就きて分かちて二段と為す。一は人の五行に配するを論じ、二は人の遊年年立を論ず。 礼記礼運篇に云う、人は天地の徳、陰陽の交わり、鬼神の会、五行の秀気なり、と。文子に曰く、人は天地の心、五行の端なり、と。是を以て天地五行の気を稟けて生じ、万物の主と為り、二儀に配して以て三才と為る。然れども気を受くるに各々多少有り。木気を受くること多き者は、その性勁直にして仁を懐く。火気を受くること多き者は、その性猛烈にして礼を尚ぶ。土気を受くること多き者は、その性寛和にして信有り。金気を受くること多き者は、その性剛断にして義を含む。水気を受くること多き者は、その性沈隠にして智多し。五気湊合(そうごう)して、共にその身を成す。気若し清叡なれば、則ちその人は精俊にして爽如たり。昏濁なれば、則ちその人は愚頑なり。老子に云う、陰陽の精気は人と為る。気に厚薄有り。中和の滋液を得れば、則ち賢智の人を生じ、錯乱濁辱を得れば、則ち貪淫の人を生ず、と。禄命書に云う、金人は剛強にして自ら用い、木人は華多くして雅なり、水人は開通にして智慧あり、火人は自ら貴びて性急なり、土人は忠信にして直なり、と。周書に云う、人は十に感じて生ず。天の五行、地の五行、合わせて十と為す。天の五行は五常と為り、地の五行は五蔵と為る、と。故に易に曰く、天に在りては象を成し、地に在りては形を成す者なり、と。家語に曰く、天は一、地は二、人は三。三三にして九、九九八十一。一は日を主り、日の数は十、故に人は十月にして生まる、と。文子に云う、
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五行大義・第二十三論諸人・第一論人配五行王気の中に生まるる者は、その人王相にして、爵禄に宜し。相気の中に生まるる者は、その人官多し。死気の中に生まるる者は、その人疾病多く短命なり、と。此れ並びにその生月の、五行の気の盛衰に当たる時を論ずるなり。況やその気を稟受する者は、その人の形質・情性・骨肉・蔵府、皆五行に象る。『相書』に云う、木人は細長にして身直し。火人は頭小さく、下豊かにして短小なり。土人は面員(まる)く腹大なり。金人は面方にして口兌(とが)る。水人は面薄く、身偏りて蛇行す。木人は青色真なり、白有るは是れ害気なり。火人は赤色真なり、黒有るは是れ害気なり。土人は黄色真なり、青有るは是れ害気なり。金人は白色真なり、赤有るは是れ害気なり。水人は黒色真なり、黄有るは是れ害気なり、と。日に配すれば、則ち甲乙(こうおつ)を皮毛と為し、丙丁(へいてい)を爪筋と為し、戊己(ぼき)を肉と為し、庚辛(こうしん)を骨と為し、壬癸(じんき)を血脈と為す。卦に配すれば、則ち乾を頭と為し、離を目と為し、坎を耳と為し、兌を口と為し、坤を腹と為し、巽を手と為し、艮を股膝と為し、震を足と為す。その蔵府・性情は、各おの別に解有り。然れども人は天地の内に居り、山川の中に在りて、各おの方位に随いて、形性等しからず。所以に東夷の人は、その形細長にして、修眉長目、衣冠も亦た狭長を尚ぶ。東海句麗(こうり)の人は、その冠高く狭く、加うるに鳥羽を以てし、木の枝に象る。長目なる者は、目は肝を主り、肝は木なり、故に細くして長し。皆木に象るなり。南蛮の人は、短小軽壑にして、高口少髪、衣冠も亦た短軽を尚ぶ。高口なる者は、口・人中は心を主り、心は火なり。
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『管子』水地人は、水なり。男女の精氣合して水流れて形をなす。三月にして咀の如し。咀とは何ぞや。曰く五味なり。五味とは何ぞや。曰く五藏なり。酸は脾を主り、鹹は肺を主り、辛は腎を主り、苦は肝を主り、甘は心を主る。五藏已に具わりて、而る後に肉を生ず。脾は隔を生じ、肺は骨を生じ、腎は腦を生じ、肝は革を生じ、心は肉を生ず。五肉已に具わりて、而る後に發して九竅と為る。脾は發して鼻と為り、肝は發して目と為り、腎は發して耳と為り、肺は發して竅と為る。五月にして成り、十月にして生まる。生まれて目視、耳聽、心慮す。目の視る所以は、特に山陵の見ゆるのみに非ず、荒忽に察かなり。耳の聽く所は、特に雷鼔の聞こゆるのみに非ず、淑湫に察かなり。心の慮る所は、特に麤麤を知るのみに非ず、微眇に察かなり、故に要の精を修む。是を以て水は玉に集まりて、九德焉に出づ。凝蹇して人と為りて、九竅五慮出づ。此れ乃ち其の精なり。精麤濁蹇にして、能く存して亡ぶ能わざる者なり。
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五行大義・第十四論雑配・第四論配蔵府五蔵にして六府有るは、亦六気の五行に因りて生ずるが如きなり。又五性の六情を生ずるが如きなり。『素問』に云う、皮は大腸に応じ、その栄は毛、心を主る。脈は小腸に応じ、その栄は色、腎を主る。筋は胆に応じ、その栄は爪、肺を主る。肉は胃に応じ、その栄は唇、肝を主る。腠理(そうり)・毫毛は三焦・膀胱に応じ、その栄は髪、脾を主る、と。皮は大腸に応じ、その栄は毛、心を主るとは、心は是れ身の君、皮は是れ身の城郭、毛は是れ身の羽衛、大腸は是れ気の道路なり。故に並びに相通ず。心は是れ火の蔵、大腸は是れ金の府なり、故に以て配す。丙辛の主る所なり。脈は小腸に応じ、その栄は色、腎を主るとは、腎は水なり。脈は是れ血の溝渠にして、水を通流す。気色は是れ人の光采なり。血気若し盛んなれば、則ち容色壮悦し、血気若し衰うれば、則ち容顔枯悴す。腎は水の蔵たり。小腸は既に受盛して水気を容著し、又是れ火の府なり、故に以てこれに配す。丁壬の主る所なり。筋は胆に応じ、その栄は爪、肺を主るとは、筋は是れ皮内の剛強なり、爪は是れ皮外の剛利なり。肺は是れ金の蔵、胆は剛精の性有り、又是れ木の府なり、故に以て相配す。乙庚の主る所なり。肉は胃に応じ、その栄は唇、肝を主るとは、胃は能く五穀の精気を消化して肉と為す。五穀は口より入る、故に栄潤は唇に在り。肝は是れ木の蔵、仁にして能く生ず。胃は是れ土の府なり、故に以て相配す。甲己の主る所なり。
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