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言志四録 / 言志耋録 第百十七条 我が情は即ち人の情

人心感應。磁石之吸鐵也。勿謂人情難測。我情即是人情。

新字:人心感応。磁石之吸鉄也。勿謂人情難測。我情即是人情。

書き下し

人心の感応は、磁石の鉄を吸ふがごときなり。人情測り難しと謂ふこと勿れ。我が情は即ち是れ人の情なり。

現代語訳

人の心の感応は、磁石が鉄を引きつけるようなものである。人の気持ちは推し量りがたいなどと言ってはならない。自分の気持ちが、そのまま人の気持ちなのである。

解説

前条に続いて感応を論じた一条です。人の心が互いに感じ応じ合うさまを、磁石が鉄を引きつけるさまにたとえます。目には見えなくても、確かに引き合う力がはたらいているということです。そこから一斎は、人情は測りがたいと言ってはならないと戒めます。自分の情がそのまま人の情だからです。これは『論語』の「己の欲せざる所は人に施す勿れ」や、己の心から推して人を思いやる「恕」の考えに通じます。相手の気持ちがわからないと嘆く前に、自分が同じ立場ならどう感じるかを確かめてみる。部下や顧客の心をつかめないと感じるとき、その手がかりはまず自分の中にある、ということを思い出させる条です。

この章句が説くこと

感応人情恕共感人を見る目

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