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学問のすゝめ / 六編・国法の貴きを論ず・したがって殺されしたがって訴え

四十七士の面々申し合わせて、おのおのその筋により法に従いて政府に訴え出でなば、もとより暴政府のことゆえ、最初はその訴訟を取り上げず、あるいはその人を捕えてこれを殺すこともあるべしといえども、たとい一人は殺さるるもこれを恐れず、また代わりて訴え出で、したがって殺されしたがって訴え、四十七人の家来、理を訴えて命を失い尽くすに至らば、いかなる悪政府にてもついには必ずその理に伏し、上野介へも刑を加えて裁判を正しゅうすることあるべし。

書き下し

四十七士の面々申し合わせて、おのおのその筋により法に従いて政府に訴え出でなば、もとより暴政府のことゆえ、最初はその訴訟を取り上げず、あるいはその人を捕えてこれを殺すこともあるべしといえども、たとい一人は殺さるるもこれを恐れず、また代わりて訴え出で、したがって殺されしたがって訴え、四十七人の家来、理を訴えて命を失い尽くすに至らば、いかなる悪政府にてもついには必ずその理に伏し、上野介へも刑を加えて裁判を正しゅうすることあるべし。

現代語訳

四十七士の面々が申し合わせて、それぞれ筋を通し法に従って政府に訴え出たなら、もとより暴政の政府ですから、最初はその訴訟を取り上げず、あるいはその人を捕えて殺すこともあったでしょう。しかしたとえ一人は殺されてもこれを恐れず、また代わって訴え出て、殺されるにしたがって訴え、四十七人の家来が道理を訴えて命を失い尽くすに至れば、どんな悪い政府でもついには必ずその道理に屈し、上野介にも刑を加えて裁判を正すことがあったはずです。

解説

批判だけで終わらず、代案が示されます。討ち入りの代わりに何をすべきだったか。訴え、殺され、また訴える。四十七人が順に命を落としながら訴え続ければ、どんな政府も道理に屈しただろう、と。命を惜しめと言っているのではないところが重要です。同じ死を賭けるなら、仇討ちではなく手続きの筋を通すために賭けよ、という主張で、後の非暴力の抗議の考え方に通じています。

この章句が説くこと

代案訴訟非暴力覚悟

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