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不動智神妙録 / 諫言 其三 人を見る

總て人の善し惡しきを知らんと思はヾ、其愛し用ゐらるゝ臣下、又は親み交る友達を以て知ると云へり、主人善なれば其近臣皆善人なり、主人正しからざれば臣下友達皆正しからず、然らば諸人みななみし隣國是れを侮るなり、善なるときは、諸人親むとは此等の事なり、國は善人を以て寶とすと云へりよくよく御體認なさるべし、人の知る所に於て、私の不義を去り小人を遠け賢を好む事を急に成され候はゞ、いよいよ國の政正しく、御忠臣第一たるべく候、

新字:総て人の善し悪しきを知らんと思はヾ、其愛し用ゐらるゝ臣下、又は親み交る友達を以て知ると云へり、主人善なれば其近臣皆善人なり、主人正しからざれば臣下友達皆正しからず、然らば諸人みななみし隣国是れを侮るなり、善なるときは、諸人親むとは此等の事なり、国は善人を以て宝とすと云へりよくよく御体認なさるべし、人の知る所に於て、私の不義を去り小人を遠け賢を好む事を急に成され候はゞ、いよいよ国の政正しく、御忠臣第一たるべく候、

書き下し

総て人の善し悪しきを知らんと思はヾ、其愛し用ゐらるゝ臣下、又は親み交る友達を以て知ると云へり、主人善なれば其近臣皆善人なり、主人正しからざれば臣下友達皆正しからず、然らば諸人みななみし隣国是れを侮るなり、善なるときは、諸人親むとは此等の事なり、国は善人を以て宝とすと云へりよくよく御体認なさるべし、人の知る所に於て、私の不義を去り小人を遠け賢を好む事を急に成され候はゞ、いよいよ国の政正しく、御忠臣第一たるべく候、

現代語訳

すべて、人の善し悪しを知ろうと思うなら、その人が愛して用いている臣下、または親しく交わっている友達によって知る、と言います。主人が善ければ、その近臣はみな善い人です。主人が正しくなければ、臣下も友達もみな正しくありません。そうなれば、人々はみな侮り、隣国もこれを侮るのです。善であるときは、人々が親しむというのは、このようなことです。国は善い人をもって宝とする、と言います。よくよくご体得なさいますように。人の知るところにおいて、私的な不義を去り、小人を遠ざけ、賢者を好むことを急いでなされば、いよいよ国の政治は正しく、御忠臣の第一となられるでしょう。

解説

人の善し悪しは、その人が近くに置いている部下や友人を見れば分かる、という古来の人物観察法である。上に立つ者が善ければ周りも善い人が集まり、正しくなければ周りも正しくない人ばかりになる。そうなれば内からも外からも侮られる。国は善人をもって宝とする、という言葉は、組織の最大の資産は人であるという考えと重なる。自分の周りにどんな人がいるかを見直すことは、自分自身を映す鏡を見ることでもある。

この章句が説くこと

人物観察側近人材組織リーダー

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