塩鉄論 / 雜論篇
客曰:「余睹鹽、鐵之義、觀乎公卿、文學、賢良之論、意指殊路、各有所出、或上仁義、或務權利。」
新字:客曰:「余睹塩、鉄之義、観乎公卿、文学、賢良之論、意指殊路、各有所出、或上仁義、或務権利。」
書き下し
客曰く、余、鹽・鐵の義を睹、公卿・文學・賢良の論を觀るに、意指路を殊にし、各々出づる所有り。或いは仁義を上び、或いは權利を務む。
現代語訳
客が言った。「私は塩と鉄をめぐる議論を見、公卿と文学・賢良の論を観てきたが、その意図は道を異にし、それぞれ拠って出るところがある。ある者は仁義を尊び、ある者は権と利に努めていた」
解説
六十篇の討論を外から眺めた一言です。その意図は道を異にし、それぞれ拠って出るところがある。どちらかが正しいと裁くのではなく、二つの立場がそれぞれ別の場所から出てきていると言い切ります。ある者は仁義を尊び、ある者は権と利に努めた、と。この一行が、この書を勝ち負けの記録ではなく、対立そのものの記録として残す枠組みになりました。
この章句が説くこと
意指路を殊にし各々出づる所有り或いは仁義を上び或いは権利を務む塩鉄の義を睹公卿文学賢良の論を観る対立立場議論
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